冷凍母乳の小分け法・病院への届け方が知りたい!新生児科の元看護師がママに伝えたいこと

執筆者:金子奈菜絵

入院中の赤ちゃんに母乳を飲ませたい!

出産後、ママだけ先に退院して、赤ちゃんが入院することになる場合は、意外に多いものです。
入院だけでなく母乳を飲んでいる低月齢の赤ちゃんを、保育園に預けなければならないママもいるかもしれません。
そんなとき、ママはおっぱいを搾乳し、冷凍した母乳を病院や保育園へ届ける必要がありますね。
(※保育園によっては、設備の問題などから母乳を預らない場合もあります。)

せっかく搾乳した大切な母乳だから、無駄にならずに赤ちゃんに飲んでほしいけれど、

どのくらいの量で小分けにしたらいいの?
どうやって運べばいいの?

と疑問や不安を感じるママも多いと思います。

元新生児科・NICUに勤務していたナースで現役保健師である私が、冷凍母乳の小分け法・届け方についてわかりやすくご説明します!

冷凍母乳は「小分け」が基本

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冷凍母乳は、小分けするのがベストです。

一度解凍した母乳は、衛生上の問題から、次の授乳では使えません。
そのため、病院・保育園ではママから届けてもらった母乳を、授乳のたびに解凍します。

どのくらいの量を小分けにすればいいの?

母乳を小分けする理想的な量は、赤ちゃんの1回の授乳量+αです。

赤ちゃんの1回の授乳量が50mlとすると、60~80mlがベストです。

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哺乳瓶に移す際に少しこぼれてしまったり、赤ちゃんが「もうちょっと飲みたい!」となることもあります。
少し多めの+αがあると病院としてはありがたいです。

1回の授乳量は、病院の看護師に聞けばすぐに教えてくれます。
赤ちゃんのコット(ベッド)横に、記録用紙があるかもしれませんので、見方を教えてもらってもよいですね。


赤ちゃんの飲む量が分からなかったら?

赤ちゃんが入院していたり、保育園に預けたばかりだと1回に飲んでいる量がわからないこともありますね。

そんな時は、30ml(~生後1か月まで)か60ml(生後1か月以降)のパックをたくさん作るようにします。

そうすると、「基本的に1回2パックだけど、足りない時は1パック追加で解凍」ということができるからです。

参考までに、哺乳量の目安を記載します。
あくまで目安ですので、お子さんによって差があるのを忘れないようにしてくださいね。

月齢と哺乳量の目安

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生後0日~1日目
1回:20ml(1日の目安量160ml)

生後2日目
30ml(1日の目安量240ml)

生後3日目
40ml(1日の目安量320ml)

生後4日目
40ml(1日の目安量400ml)

生後5日目
60ml(1日の目安量480ml)

生後6日目
70ml(1日の目安量560ml)

生後1週間以降
生後7日目~生後2週間
80mlを3時間おきに7回(1日の目安量560ml)

生後2週間~1ヶ月
100mlを3時間おきに7回(1日の目安量700ml)

生後1ヶ月~2ヶ月
140mlを1日に6回くらい(1日の目安量840ml)

生後2ヶ月
160mlを1日に6回くらい

生後3ヶ月
200mlを1日に5回くらい


母乳がまだあまり出ないときは?

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赤ちゃんを産んですぐの場合は、まだ母乳があまり出ないこともあります。
けれど、ほんの少しの母乳でも、赤ちゃんにとっては大切な栄養素がたくさん含まれています。

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搾乳するたびに冷凍保存しても良いのですが、母乳パックは意外とお値段が高いので、そんなに使えない・・・ということもありますね。

まだ少ししか母乳が出ない時は、ある程度の量を哺乳瓶に溜めて冷凍することが可能です。

絞った母乳は、一般家庭の冷蔵庫で24時間以内なら新鮮な状態で保存できるとされています。
しかし、夏場で気温が高かったり、冷蔵庫のドアの開け閉めが多い場合もあるので、2~3回搾乳したら一旦冷凍する方が安心です。


母乳パックの上手な選び方

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母乳パックには、50~200mlまで様々な大きさがあります。

容量一杯に母乳を入れてしまうと、溶かすときに膨張して、こぼれてしまいやすくなります。

入れる母乳量よりも少し大きめのパックを選ぶようにしましょう。

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赤ちゃんが小さく生まれてきた場合や、病気で入院している場合は、ほんの少しの量から母乳をスタートすることが多くあります。
その時は10ml単位での母乳があった方がいい場合もあり、小さなシリンジ(注射器)での冷凍を薦められることがあります。
担当の助産師・看護師によく相談してみてくださいね。

また、

冷凍前に、「氏名・搾乳日時」を記載するのを忘れないようにしてください!

絞った日時が分からない母乳は、衛生上の理由から、使えなくなってしまいます。


絶対溶かさない!冷凍母乳の届け方

保冷剤
せっかく搾乳をした冷凍母乳です。
絶対に溶かさずに、病院へ持っていきたいものですね。

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お薦めの方法は、保冷バックとアイスノンの2重使いです。
保冷バックにアイスノンを入れ、冷凍母乳をアイスノンでサンドします。
特に気温が高い時期で、病院までの移動に時間がかかる場合は、
アイスノン→母乳(2パックくらい)→アイスノン→母乳(2パックくらい)→アイスノンの順で、交互に挟むと更に安心です。


冷凍母乳の小分け方法についてのまとめ

冷凍母乳の基本は、小分け保存です。
哺乳瓶だと運ぶのも大変ですし、増えてくると金額的にも負担になるので、母乳パックがお薦めです。

赤ちゃんの飲む量+10~20mlを目安に小分けすると、一番無駄がなく使えます。

母乳量が少ない場合は、哺乳瓶に溜めながら、8時間~半日を目安に冷凍するようにしましょう。

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執筆:pro金子金子奈菜絵

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ABOUTこの記事をかいた人

保健師ライター 金子奈菜絵

大学病院の小児科で新生児室・私立総合病院の産婦人科で長年看護師として従事してきました。 現在は保健師として、育児相談のアドバイスや赤ちゃんの健康チェックなど、地域の子育て支援事業に参加しています。生後1か月健診~3歳6か月健診の健診も担当しています。男の子を2人育てるワーキングマザーです。