市販品よりおいしい!?経口補水液の作り方と他の飲料比較~熱中症から子どもを守ろう!

イオン化飲料よりも体に吸収されやすい、経口補水液をご存知ですか?

熱中症や病中の脱水は避けたいですね。

子どもはもともと、体の水分量が多く、その分脱水しやすいのです。

経口補水液は嘔吐や下痢のときはもちろん、これから心配な熱中症の予防としても使える優れものです。

けれど、薬局で購入すると値段もちょっと高いですし、なにがいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか?
そこで、どうして「脱水」には経口補水液がいいのか、その理由や作り方、他の飲料との比較をまとめてみました。

熱中症や病中の脱水から子どもの健康を守るためにも、経口補水液について知っておきたいですね!

経口補水液(ORS:Oral Rehydration Therapy)ってなに?

OS-2

吐いた時、下痢の時、汗をかいた時に人は体液を失います。
失う体液の中には水分のほかに塩分(ナトリウムやカリウムなど)が含まれています。
「脱水」というのは、体から水分と塩分が同時に失われている状態ということです。
経口補水液はこの水分・塩分・糖分を腸から吸収しやすい割合で作った飲料のこと。
病院で打つ点滴とほぼ同じ成分なので「飲む点滴」ともいわれます。

市販品より美味! 簡易経口補水液の作り方

ストックがない場合は、家庭にある材料を使って作ることができます。
ただし、簡易経口補水液では、脱水時に不足するカリウム(K)をほとんど摂取できず、糖分も多いです。
作ったものは、遅くともその日のうちに飲みきってくださいね。

材料

砂糖20~40g(大さじ2と小さじ1~大さじ4と1/2)※写真は素焚糖
塩3g(小さじ1/2)
水1L
レモン汁など適量(飲みやすくするため)

材料

作ってみた感想

できあがり

「まずい」と評判の簡易経口補水液。
半量で(砂糖20g/塩1.5g/水500ml)作ってみました。
水500mlを沸かして、材料を入れ、混ぜて、冷めたらできあがり。簡単です。
そして問題の味は…あれ?おいしいです。市販のものより甘い。
レモン汁を入れると少しさらりとして、さらに飲みやすくなりました。
市販のものより子どもは飲みやすいのではと思いました
(「経口補水液をおいしく感じるのは脱水の時」、とあちこちに書いてあるのですが…)
砂糖の量には幅がありますので、お好みにあわせて作ってみてください。
写真のものは素焚糖で作ったので、飴色です。てんさい糖でもおいしかったです。

他の飲料と経口補水液の違い

水やお茶はこれが足りない!

水やお茶を飲むと水分はとれますが、塩分がとれません。
さらには糖分(小腸が水分を吸収する働きを助けます)もないので吸収がよくありません。
水やお茶だけを飲み続けると、体液中の塩分の割合が低くなり、塩分不足の脱水になってしまいます。
そうなると、ぐったりしたり、手足が冷たくなったりという症状に。
点滴や注射が必要になってしまいます。

スポーツドリンクはこれが足りない!

スポーツで汗をかいた時に飲む方も多いので、乾いた体の水分補給にスポーツドリンクを飲む方も多いのではないでしょうか?
小腸が水分と塩分を吸収するには、糖分と塩分の割合がとても大切です。
スポーツドリンクは味を良くするために糖分を多く、塩分を少なく作ってあります。
水やお茶よりはましですが、やはり吸収が悪く、

飲み続けると体液のバランスが崩れてしまいます。

乳幼児の嘔吐、下痢の治療には特に不向きです。

乳幼児用イオン飲料はこれが足りない!

乳幼児用イオン飲料も糖分の割合が高く、吸収がよくありません
少量ずつ何度も飲ませることになれば、虫歯も心配ですよね。

補足

和光堂では乳幼児用イオン飲料「アクアライト」のほかに、「アクアライトORS」という商品を出しています。
「アクアライトORS」は「アクアライト」より吸収しやすく、虫歯予防にも配慮しています。
りんご風味なので子どもでも飲みやすく、生後3箇月ぐらいから使用できます。
脱水時に飲ませる乳児用イオン飲料としては「アクアライトORS」がよいです。
また、普通の「アクアライト」よりは家庭で作る簡易経口補水液の方が吸収がよいようです。

「経口補水液は医師の指導のもとで飲むことが基本」ですが、勝手に飲んだといって怒られることはありません。
特に嘔吐がある時はティースプーンひと匙から飲み始めること、少量をゆっくりと飲むことが基本です。
※医師からナトリウムやカリウムの摂取制限を受けている人は使用できない場合があります。ご注意ください。

まとめ

いかがだったでしょうか。
もちろん普通の状態なら汗をかいても水やお茶、スポーツドリンクで十分です。
下痢であっても食事がとれていれば、食べ物から糖分・塩分(ナトリウム、カリウム)をとれるので大丈夫。
でも、食べ物が取れない、特にたくさん汗をかくなど脱水が心配な時は経口補水液の方がよさそうです。
脱水のサインがあった時、すぐに飲めるように経口補水液を家に備えておいてはいかがでしょうか。

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