助産師
赤ちゃんのほっぺたにできたのは、いわゆる新生児ニキビです。
お腹の中では、羊水というお水の中に浮かんでいる赤ちゃん。生まれてきたその瞬間は、本当にみずみずしい肌をしています。そのお肌に、生後2週間を過ぎた頃から、何やら赤いプツプツが。
思春期の頃にママのお肌にもできたかもしれないニキビによく似ています。新生児ニキビと呼ばれるものがなんなのか、ご紹介したいと思います。
赤ちゃんにニキビができるわけ
赤ちゃんのお肌はすべすべで皮脂とは無縁に思えますが、実はとても皮脂分泌が多いのです。
原因は、ママのお腹の中でもらったホルモンの影響を受けるため。
赤ちゃんの毛穴はとても未熟で詰まりやすいため、ホルモンの影響で増えた皮脂がつまりやすく、ニキビができやすい状態になってしまいます。
ほとんどが生後3ヶ月頃までに良くなります
新生児ニキビは、ホルモンの影響を受けた一時的なものであることが多く、生後3ヶ月を迎える頃には次第に落ち着いて、きれいになることが多いようです。
皮膚が弱いタイプのお子さんを持つママは、赤ちゃんの皮膚がオイリーからカサカサしてきたら、ケアの方法を変える必要があるので注意してください。
ホームケアの基本は「石鹸洗顔」
生後2週間の赤ちゃんは、ベビーバスで入浴させるのが一般的です。
病院の沐浴指導では、「赤ちゃんの顔は、濡らしたガーゼで8の字を書くように・・・。」と教わることが多いですね。
しかし、新生児ニキビができ始めた赤ちゃんの皮脂は、ガーゼでこするくらいでは取れません。
ポイントは、しっかりと石鹸を泡立てて洗うこと。
石鹸は、固形タイプのものを泡立てるのが最も低刺激ですが、片手で泡立てるのが難しい・・・という方は、泡状のベビーソープでもOKです。
目の周りを避けて、石鹸がついた指の腹で優しくこすり、濡らしたガーゼでよく石鹸を落としてあげます。
赤ちゃんが動いてしまってやりにくい、怖い、というママは、ベビーバスに入れる前に、タオルや座布団などの上に置いた状態で顔を洗ってあげるとやりやすいです。
最初に濡れたガーゼで顔をさっと拭き、それから石鹸→再度ガーゼで拭き取りという流れになります。
洗い終わった皮膚がカサカサしていなければ、特に保湿はしなくてもOKです。もし保湿剤を使う場合は、サラッとしたローションタイプを使いましょう。
汚れたらすぐに濡れガーゼ!
生後3ヶ月までは食べ物やよだれで皮膚が汚れることは少ないですが、汗や吐き戻したミルク・母乳などで顔や体が汚れることはよくあります。
そんな時は、濡れたガーゼで優しく押さえるように拭き取ってあげましょう。
こんな時は皮膚科を受診!
新生児ニキビは、長引かず、短期間できれいに治ることが多い皮膚トラブルです。
しかし、こんな時には受診をした方がよいでしょう。
・ニキビが膿(うみ)を持ち、ジュクジュクしはじめた。
・赤ちゃんがかゆがって顔をこするような仕草をする。または顔を引っ掻いている。
・眠る前や眠っているときに、ぐずったりよく目を覚ますようになる。
受診先は、小児科ではなく皮膚科がおすすめです。
他の感染症をもらう危険も少ないですし、ニキビの治療は皮膚科の専門分野になります。
まとめ
新生児ニキビはあっという間に広がってしまうので、ママの心配もひとしおです。
赤ちゃんに会いに来た人からも、「どうしたの?何か薬つけたら?」などと言われることで、更に不安になることも。
お食い初めの頃には落ち着くことが多いので、しばらくの我慢と思って乗り切りましょう!