母乳量が少ない!?とミルクあげすぎていませんか?
ミルクは赤ちゃんの食事なので、あげること自体に問題があるわけではありません。
けれど、大人でも食べすぎるとお腹が張るなどの問題がでてきますよね。
あげすぎは問題です。
ミルクをあげすぎる問題とは?
頻回授乳のママさん、混合栄養のママさん、子どもが泣いているときにこんな経験はありませんか?
「また泣いているよ。おっぱいが足りないんじゃない?ミルクあげたら?」といわれたこと。
執筆者達もそうでした。
なかには、次の2点を指摘されているようで、急いで調乳しているママもいるかもしれません。
- おっぱいが足りないという引け目
- 泣いている=おっぱいだと気が付かないこと
あげすぎのデメリットも知ってください!
でも、ミルクを調乳するのはちょっと待ってください。
もしもあなたのお子さんが2か月以下の赤ちゃんだとしたら、その昔ながらの考え方をうのみにするのは、ちょっと間違っているかもしれません。
というも、母乳が足りないという誤解のために、ミルクをあげすぎている可能性もあるからです。
母乳に加えて、ミルクをあげすぎるとこんなことになります。
- 平均より育ちすぎる(やや肥満気味)
- ミルク依存がネックになって、(望んでいらっしゃる方は)完全母乳育児が実現しにくい
- 排便のしすぎによる切れ痔
- 排便のしすぎによるお尻かぶれ
- 血混じりの便
先ほども書きましたが、ミルク自体は悪くありません。
けれど、お腹いっぱいなのに、さらに飲まされているとしたらどうでしょう?
1.2か月以下の子どもの満腹中枢は未発達
2か月以下の子どもの満腹中枢は未発達。お腹いっぱいでも出された乳首には吸い付きます
こんな経験ありませんか?
- 子どもが寝ながらうなっている
- 子どもが寝ながらしゃっくりをしている
もしも、こういう経験が多いなら、ミルクや母乳でおなか一杯になりすぎているのかもしれません。
生まれてから2か月くらいまでの子どもは、満腹中枢が未発達です。
また、生理的反射として口の前にあるものに吸い付くようになっているようです。
もしかしたらあげすぎている!?と気になる兆候があるようなら、調べてみてください。
あかちゃんの体重計が置いてあるショッピングモールなどへ赴いた際に、授乳前後の赤ちゃんの体重を計ってみるとあげすぎかどうかがわかります。
近くにあかちゃん体重計がない方は、子どもの様子を見ながらミルク量を減らしてみてもいいかもしれません。
豆知識
満腹中枢が発達しはじめると、急に飲まなくなることもあるかもしれません。
これは、満腹だよというサインで、脳が発達してきた証拠です。
心配する必要はありません。
2.あかちゃんが泣いている=おっぱい は誤解
けれど、そればかりではありません。
抱っこしてほしい、お腹が苦しい、げっぷをしたい…そして、お尻が痛くても泣きます。
おしりが痛いというのは、お尻かぶれだけではありません。
母乳の悩みが10日ですっきり!生後1か月から授乳中にはじめたこと
赤ちゃんの切れ痔に注意!
ミルクを飲むと母乳よりも便の量が増えます。
あかちゃんの肛門は繊細なので、大人にとってはドロドロに見えるうんちでも、回数が多いと切れ痔をおこすこともありますよ。
ミルクを飲みすぎ、切れ痔をおこして泣いているのに、さらにミルクを飲ませる…。
どこをチェックしても目立った問題はないのに、余りに頻繁になくようなら、お尻が問題なのかもしれませんよ。(お尻をきれいに洗い、白色ワセリンを塗ってあげてください。泣く回数が収まれば、お尻が問題で泣いていたのでしょう)
切れ痔が酷くなり、便に血が混じってから大急ぎで病院に行くことになる前に、少しミルクの量と回数をチェックしてみてください。
あげすぎていませんか?
おばあちゃん世代のアドバイス
50代・60代のお義母さんやお母さん世代は
「あかちゃんが泣く = おっぱい」という、かつて育児の常識を今も信じている世代かもしれません。
10年前の育児の常識は通用しないといわれるほど、育児の世界は次々と新たな「常識」で更新されていきます。
今の時代を生きるママは、そのことを忘れないでくださいね。
執筆者の体験
母乳育児をしていたのですが、息子が生後1カ月のころ遊びに来ていた実母に「子どもが泣いているけど、母乳が足りないのでは?」と指摘されました。
納得いかないながらミルクを足したところ、子どもが勢いよくミルクを飲むので、本当に母乳が足りないと思い混合栄養にしました。
しかし、その数日後から泣く回数が増え、さらに1週間後には便に血が混じるようになりました。
慌てて病院へ行ったところ「ミルクのあげすぎで便の回数が増え、肛門の奥が切れている(もしくは直腸が傷ついている)」とのこと。
ミルクをやめ、肛門に軟膏を塗っていたらすぐになおりました。
親は私たちを大きくしたいわば大ベテランの育児の先輩ですが、自分の子どものことを一番知っているのは四六時中一緒にいる私たちママ自身。
もっと自信を持たないと子どものためにならないと思い知りました。(藤咲倫子)
3.母子手帳の発育曲線をうのみにしないで!
母子手帳の発育曲線は人工栄養のあかちゃんの成長も考慮して作られているそうです。
母乳のみの子どもは、母乳に脂肪が少ないのでなかなか太りにくいといわれています。
大人でも身長や体格が人と違うように、子どもにも個人差がありますよ。
よく飲むのに、よく動くから太らない子もいます。
子どもの発育は体重増加だけではありません。
機嫌よくおっぱい飲んで、遊んで、おしっこしていれば大丈夫といっている助産師さんもいます。
執筆者の体験
私は桶谷式母乳外来の助産師さんにこの話をきくまで、発育曲線ばかりを気にしていました。特に、母乳育児のお子さんは、体重の発達曲線の下弦にいることをあまり問題視しなくても良いようです。
もし、母乳育児を目指している方なら、発育曲線にとらわれすぎず、発育曲線を下回っているからといって母乳育児を諦めなくてもいいと思います。(高橋奈奈子)
どうしても、発育が不安という方は、ママの身体を労わるためにもこの記事がおすすめです。
母乳量不足で悩まないで!保健師が教える母乳を増やす方法おすすめ5選
ぜひ読んでみてくださいね。
赤ちゃんの精神・神経運動の発育に関するアメリカの研究についてもご紹介しています。
母乳量不足で悩まないで!保健師が教える母乳を増やす方法おすすめ5選
4.片方のおっぱい=母乳量も通常の半分 の想像はハズレかも
片方だけが陥没乳頭という方もいらっしゃると思います。
通常のおっぱいから授乳していると、陥没乳頭のおっぱいからは授乳できない…と片方分の母乳量しか飲ませてあげられないと思っていませんか?
必ずしもそうではないようです。
片胸だけ陥没乳頭の場合、母乳の量が足りないと考えて、ミルクで補っているママも多いでしょう。
でも、頻回授乳で吸わせていると母乳量がかなり増えることも。
本当は母乳だけで足りている場合もあるので、様子をみてください。
片胸だけの授乳でも、完全母乳に切り替えられることもあります。
気になる方は、母乳量を調べてみてくださいね。
母乳の悩みが10日ですっきり!生後1か月から授乳中にはじめたこと
執筆者の体験
生後2か月半の時、1日1回100mlのミルクを息子にあげていました。
1~1時間半ごとの頻回授乳でしたが、1時間以内に子どもが泣いたらミルクを調乳していました。
陥没乳頭の方からはほとんどでていませんでしたが、片方のおっぱいからは150mlのでていると母乳外来でいわれました。
片方の母乳量でも足りると判断し、完全母乳に切り替えました。(高橋奈奈子)
まとめ
母乳の悩みが10日ですっきり!生後1か月から授乳中にはじめたこと
母乳の量は一定でも、子どもの気分で少し飲んで気が済むときもあれば、よく飲みたいときだってあると思います。
母乳が足りないかも…と悩むストレスが母乳量に影響を与えるかもしれません。
心配しないでのんびりと過ごしてください。
きっと、イヤイヤ期がくれば母乳量で悩んでいたことが遠い昔に感じるでしょう。
そして、子どもが中学生になって、本格的な反抗期がくればとても懐かしい思い出に変わっているでしょう。
今の悩みがとても愛しい思い出に変わりますように。
ほどほどに息抜き・手抜きをしながら、育児を楽しんでいきたいですね。