助産師
出産後、ママだけ先に退院して、赤ちゃんが入院することになった時どのように母乳を届けるか悩んでいるママに新鮮な母乳を届けるコツをアドバイスします。
そんなとき、ママはおっぱいを搾乳し、冷凍した母乳を病院や保育園へ届ける必要がありますね。
(※保育園によっては、設備の問題などから母乳を預らない場合もあります。)
どのくらいの量で小分けにしたらいいの?
どうやって運べばいいの?
と疑問や不安を感じるママも多いと思います。
冷凍母乳は「小分け」が基本
一度解凍した母乳は、衛生上の問題から、次の授乳では使えません。
そのため、病院・保育園ではママから届けてもらった母乳を、授乳のたびに解凍します。
どのくらいの量を小分けにすればいいの?
赤ちゃんの1回の授乳量が50mlとすると、60~80mlがベストです。
哺乳瓶に移す際に少しこぼれてしまったり、赤ちゃんが「もうちょっと飲みたい!」となることもあります。
少し多めの+αがあると病院としてはありがたいです。
1回の授乳量は、病院の看護師に聞けばすぐに教えてくれます。
赤ちゃんのコット(ベッド)横に、記録用紙があるかもしれませんので、見方を教えてもらってもよいですね。
赤ちゃんの飲む量が分からなかったら?
赤ちゃんが入院していたり、保育園に預けたばかりだと1回に飲んでいる量がわからないこともありますね。
そうすると、「基本的に1回2パックだけど、足りない時は1パック追加で解凍」ということができるからです。
参考までに、哺乳量の目安を記載します。
あくまで目安ですので、お子さんによって差があるのを忘れないようにしてくださいね。
月齢と哺乳量の目安
生後0日~1日目
1回:20ml(1日の目安量160ml)
生後2日目
30ml(1日の目安量240ml)
生後3日目
40ml(1日の目安量320ml)
生後4日目
40ml(1日の目安量400ml)
生後5日目
60ml(1日の目安量480ml)
生後6日目
70ml(1日の目安量560ml)
生後1週間以降
生後7日目~生後2週間
80mlを3時間おきに7回(1日の目安量560ml)
生後2週間~1ヶ月
100mlを3時間おきに7回(1日の目安量700ml)
生後1ヶ月~2ヶ月
140mlを1日に6回くらい(1日の目安量840ml)
生後2ヶ月
160mlを1日に6回くらい
生後3ヶ月
200mlを1日に5回くらい
母乳がまだあまり出ないときは?
赤ちゃんを産んですぐの場合は、まだ母乳があまり出ないこともあります。
けれど、ほんの少しの母乳でも、赤ちゃんにとっては大切な栄養素がたくさん含まれています。
搾乳するたびに冷凍保存しても良いのですが、母乳パックは意外とお値段が高いので、そんなに使えない・・・ということもありますね。
絞った母乳は、一般家庭の冷蔵庫で24時間以内なら新鮮な状態で保存できるとされています。
しかし、夏場で気温が高かったり、冷蔵庫のドアの開け閉めが多い場合もあるので、2~3回搾乳したら一旦冷凍する方が安心です。
母乳パックの上手な選び方
母乳パックには、50~200mlまで様々な大きさがあります。
入れる母乳量よりも少し大きめのパックを選ぶようにしましょう。
赤ちゃんが小さく生まれてきた場合や、病気で入院している場合は、ほんの少しの量から母乳をスタートすることが多くあります。
その時は10ml単位での母乳があった方がいい場合もあり、小さなシリンジ(注射器)での冷凍を薦められることがあります。
担当の助産師・看護師によく相談してみてくださいね。
また、
絞った日時が分からない母乳は、衛生上の理由から、使えなくなってしまいます。
絶対溶かさない!冷凍母乳の届け方
せっかく搾乳をした冷凍母乳です。
絶対に溶かさずに、病院へ持っていきたいものですね。
お薦めの方法は、保冷バックとアイスノンの2重使いです。
保冷バックにアイスノンを入れ、冷凍母乳をアイスノンでサンドします。
特に気温が高い時期で、病院までの移動に時間がかかる場合は、
アイスノン→母乳(2パックくらい)→アイスノン→母乳(2パックくらい)→アイスノンの順で、交互に挟むと更に安心です。
冷凍母乳の小分け方法についてのまとめ
冷凍母乳の基本は、小分け保存です。
哺乳瓶だと運ぶのも大変ですし、増えてくると金額的にも負担になるので、母乳パックがお薦めです。
母乳量が少ない場合は、哺乳瓶に溜めながら、8時間~半日を目安に冷凍するようにしましょう。
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執筆:金子奈菜絵