妊娠線にニベアを使うのは待った!妊娠線予防に使うと後悔する理由とは

助産師

これからニベアの青缶で妊娠線予防をしようと思っているあなた。
ニベアにはどんな成分が入っているか?
妊娠線予防に必要な成分はなにか?
をごぞんじないんですよね?
それでは、妊娠線ができるリスクを自分で上げてしまっているようなものです。

本当にニベアの青缶で妊娠線予防ができると思っていますか?

保湿さえすればいいという思いは捨ててください。まず、なぜ妊娠線ができるのかを知ると、ただ保湿をしただけではいけないということがわかります。

【警告】一生消えない!妊娠線は皮膚のある部分が断裂することで起こるから要注意

皮膚は、表皮、真皮、皮下組織の3層になっています。妊娠してお腹が大きくなってくると、皮下組織中の脂肪細胞が急激に大きくなります。

表皮はある程度伸びますが、真皮の中のコラーゲン組織は急激な伸びについくことができません。伸びについていけないとコラーゲン細胞が断裂してしまいます。

助産師

コラーゲン細胞が断裂したところから毛細血管が透けて見えるものが、赤紫色の妊娠線です。お腹だけでなく、胸や太もも、二の腕、お尻などにも妊娠線ができやすいので、気をつけるようにしましょう。

【圧倒的に目立つ理由とは?】肉割れと妊娠線の違い

肉割れは急激に太ったり、無理なダイエットをしたりして、体型が急に変わることなどが原因で起こります。メカニズムは妊娠線と変わりませんが、妊娠線の方が目立つのはどうしてか、不思議ですよね?

妊娠していないときと比べて、ホルモンの変化によって肌の奥までとてもデリケートな状態です。簡単に説明すると妊娠中は肌が乾燥しやすいんですね。

助産師

妊娠していない時期であれば多少コラーゲン層が伸びてもさけません。でも、肌が乾燥している状態だと、真皮のコラーゲン細胞が裂けやすくなります。

そのため保湿をして、肌に潤いを与えることが妊娠線の予防に大切です。妊娠していないときよりも入念に保湿をするようにしましょう。

乾燥がダメな理由は?

想像しづらいと思うので、コラーゲンが豊富なイカに例えて説明したいと思います。
生のイカ(うるおっているコラーゲン細胞)

乾いたスルメ(乾燥したコラーゲン細胞)

助産師

生のイカを左右に引っ張ってもなかなかちぎれませんが、乾いたするめはすぐに裂けてしまいますね。

乾燥しているとコラーゲン細胞が裂けやすいのはわかっていただけますか?

だから、妊娠線ができやすくなるんですよ。でも、それなら保湿だけしていればいいんじゃないかと思ってしまいます。

助産師

ところが、妊娠期にはもう1つ大きな落とし穴があったのです。

【妊娠中の大きな落とし穴】保湿だけでは妊娠線ができてしまう理由とは?

妊娠線予防に保湿は効果的です。しかし保湿をしたからといって、コラーゲン細胞の断裂(=妊娠線)を防ぐことができるわけではありません。

実は妊娠中は、コルチコステロイドというホルモンが多く分泌されます。

助産師

コステロイドというホルモンは肌の新陳代謝を抑制してしまうホルモンです。コラーゲン細胞が裂け始めても通常であれば、再生してくっつきます。ところが、肌の新陳代謝を抑制するコステロイドが分泌されているとコラーゲン組織が再生されづらくなり、断裂(=妊娠線)が起きてしまうのです。

だから、ただ保湿しただけでは妊娠線ができてしまうんです。

【これで妊娠線に悩まない!】防ぐために必要な成分は?


コラーゲン細胞の断裂(=妊娠線)を防ぐには、コラーゲン組織を再生してくれる成分が必要です。

コラーゲン組織を再生してくれる成分はどんなものがある?

  • シラノール誘導体
  • FGF(繊維芽細胞増殖因子)
  • ビタミンC誘導体
  • コエンザイムQ10
  • プラセンタ

では、ニベアの成分に入っているか見てみましょう。

水、ミネラルオイル、ワセリン、グリセリン、水添ポリイソブテン、シクロメチコン、マイクロクリスタリンワックス、ラノリンアルコール、パラフィン、スクワラン、ホホバ油、オレイン酸デシル、オクチルドデカノール、ジステアリン酸Al、ステアリン酸Mg、硫酸Mg、クエン酸、安息香酸Na、香料

出典:花王公式サイト

成分を見てわかるように、
残念ながらニベアには
コラーゲン細胞を再生してくれる成分は全く含まれていません。

そして、妊娠線は薄くなっても妊娠線でできた断裂したコラーゲン細胞はくっつきません。そのため、赤紫色が引いても肌のボコボコはなくなりません。

どうしても妊娠線を予防したい人は、ニベアよりも専用のクリームを使ってみてください。

【妊娠線予防の必須成分】シラノール誘導体のはたらきとは?

シラノール誘導体とは、コラーゲン組織の修復と再構築を手助けするシラノールを生みだすもとになります。

助産師

妊娠線の予防に効果があると、日本だけでなくアメリカの学会でも医学誌に載り、海外でも注目されている成分なんですよ。

妊娠線予防専用クリームには、このシラノール誘導体が配合されているものがいくつかあります。また一度できてしまった妊娠線を目立たなくしたいときにも、シラノール誘導体が入ったものはおすすめですよ。

妊娠期間が終わったからといって塗るのを辞めてしまうのは、よくありません。

助産師

妊娠線予防クリームは、出産後も継続して塗り続けることをおすすめします。

コエンザイムQ10の働きとは?

助産師

コエンザイムQ10には、肌細胞を活性化させる働きがあります。
コエンザイムQ10によって肌細胞が活性化すると、肌本来のコラーゲンの生成力が高くなります(だから、美容クリームなどに配合され、アンチエイジングで注目される成分なのです)。

スーパーヒアルロン酸の働きとは?

助産師

スーパーヒアルロン酸には、ヒアルロン酸の2倍ほどの保湿力・水分保持力があります。
こちらはとても肌になじみやすく、長時間潤いを保つサポートをしてくれる成分です。乾燥しがちな妊娠中の肌にうれしい成分ですね。

コエンザイムQ10もスーパーヒアルロン酸も、妊娠線予防に必要なコラーゲンの生成・保湿をサポートしてくれる成分です。

【妊娠線予防の正しい知識】妊娠線予防クリームはいつから塗るといいの?

助産師

妊娠線予防のために妊娠線予防クリームを塗るのは、妊娠初期からがおすすめです。

妊娠初期から始めるときちんと肌に潤いを与えてやわらかくしておくことができますよ。お腹が大きくなる前から塗り始めることで、コラーゲン細胞にしっかり潤いが行き届いているとコラーゲン細胞もやや伸びやすくなります。

助産師

お腹が大きくなってから塗り始めるとコラーゲン細胞に潤いが満たされる前に肌が伸び始め、断裂してしまう可能性もあります。妊娠線ができる可能性があるので、注意が必要です。

ただ妊娠初期はつわりなどで体調が悪く、毎日のケアが難しい場合もありますよね。その場合は、お腹が少しずつ膨らみ始める妊娠4~5ヶ月頃から塗り始めてみてはいかがでしょうか。

【妊娠線予防の正しい知識】妊娠線予防クリームの塗り方と塗る場所


助産師

妊娠線予防のためには、たっぷりと保湿をすることと妊娠線予防に有効な成分をコラーゲン細胞に届けることが必要です。

1日にどのくらい妊娠線クリームを塗ればいいの?


妊娠線ができた人が塗っていた回数は、1日1~2回でした。(2回以上塗ってもできてしまった方は、妊娠線予防クリームではなく、ニベアのような代用品を使っていました。)

妊娠初期の間は1~2回でも構いませんが、妊娠中期から妊娠後期にかけて大きくなると妊娠線もできやすくなります。
そのため、

妊娠初期:1~2回
妊娠中期:2回以上 肌の乾燥・乾燥によるかゆみを感じたらその都度
妊娠後期:2回以上 肌のツッパリを感じたらその都度

たっぷりと塗るようにしましょう。とくにお風呂上りは肌が乾燥しやすいので、入浴後5分以内に保湿をすることをおすすめします。

妊娠線クリームを塗る場所は?



妊娠線のできやすいお腹には、マッサージをするようにしっかりと塗り込みましょう。

助産師

下腹部だけでなく、わき腹や背中の方にも塗り広げるのを忘れずに!また胸やお尻、太ももや二の腕などにも妊娠線ができやすいので、保湿を忘れないでくださいね。

ただしっかりと塗り込もうとゴシゴシこすってしまうのはNGです。
手のひらで温めたり、伸びやすい状態にして塗りましょう。そうすると、こすらずに塗り広げることができますよ。