夕方になると、赤ちゃんがグズグズして泣き止まないことって、よくありますよね。
ママ
助産師
こんなことに注意するだけで夕方の母乳量は自然と増える
がんばって完全母乳で赤ちゃんを育てているけれど、夕方になると母乳量が不足して、赤ちゃんがグズグズしてしまうというケースはよくあります。
ミルクを足すべきか、それともこのまま完全母乳を続けて大丈夫なのか、ママはいろいろと不安になりますよね。特に、赤ちゃんの体重がなかなか増えない場合は、心配になります。
助産師
夕方の母乳量が不足する理由はこの4つ
1.ママの疲労
母乳はプロラクチンというホルモンが分泌されることによって生成されます。
このプロラクチンは夜間、寝ている間にたくさん分泌されるホルモンです。
そのため
- 睡眠不足
- 夕方
はホルモンが少なくなり、母乳が不足しやすいのです。
でも、それだけではありません。
助産師
ママの体の回復具合にともなって、母乳量も徐々に増えていくと思います。可能であれば、赤ちゃんといっしょに30分でも1時間でもいいので、昼寝をするのが効果的。
助産師
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2.体の冷え
食事量が少なかったり、睡眠不足で体が疲れていたりすると、エネルギー不足になります。
助産師
- 授乳回数が多いために、胸元が空気にさらされる時間が長い
- 授乳しやすいように胸ぐりの大きな服を着ている
知らないうちに胸の辺りや体が冷えきってしまっている場合もあります。
助産師
・授乳の際には上着を1枚肩にかける
・あたたかいものを飲んで、体の芯からあたためる
・蒸しタオルや市販の乳房用温パックなどで、直接胸をあたためる
・シャワーを浴びたり、お風呂に入ったりする
のも効果的です。体があたたまって母乳の出がよくなります。
3.水分不足
赤ちゃんのお世話に忙しくて、
- 気がついたらほとんど水分をとっていなかった
- トイレにもほとんど行かなかった
なんてことはありませんか?
これでは、完全に水分不足です。
授乳中のママの体は、十分な量の母乳を作り出すために、普通の人よりもさらに多くの水分が必要になります。
助産師
4.赤ちゃんの疲労
夕方、授乳中に赤ちゃんがグズグズしてしまうのは、ママの母乳不足が原因ではない可能性もあります。赤ちゃん自身が疲れてしまって、おなかがいっぱいになる前に、おっぱいを吸うのをやめてしまうせいかもしれません。
助産師
それでも泣き止まない場合は、授乳に関係なく、ただ単に赤ちゃんが疲れて機嫌が悪いだけかもしれません。そんなときは、もうあきらめてあやし続けましょう。
助産師
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完全母乳をがんばりたいママにおすすめの食事&生活スタイル
ママ
低カロリー&高タンパク質な食事が◎
授乳中のママは、十分な栄養とたくさんの水分がマスト。乳腺炎を防ぐためにも、高カロリー、高脂質な食事、また乳製品のとりすぎには注意しましょう。
母乳のためには、低カロリーかつ、高タンパク質を意識したメニューがおすすめ。野菜中心で、油分の少ない和食を基本とするのがいいでしょう。できれば魚をメインに。また肉であれば、脂肪分の少ない赤身肉や鶏肉(胸肉やささみ)を選ぶようにしましょう。
母乳の質を上げるためには、大豆や小豆もおすすめです。手をかけずに、そのまま食べられる豆腐や納豆は、子育てに忙しいママのお助けアイテム。甘いものが食べたいときは、カロリーのことも考えて、小豆入りの和菓子を食べるようにするといいですよ。
完全母乳のカギは睡眠・食事・水分
しっかり睡眠をとって、栄養バランスのとれた食事と水分をしっかりとることが、母乳量を増やすためにはいちばん大切です。ですが、これって赤ちゃんを持つママにとっては、すご〜くむずかしいことなんですよね。
子育て中のママ、特に完全母乳のママは、まとまった睡眠時間がとれないもの。赤ちゃんが寝ているときは、なるべくママも寝るようにしましょう。ちょっと横になるだけでも、体の疲れがとれるはずです。
赤ちゃんが寝ている時間は、「貴重な家事タイム」と考えて、せっせと動いてしまうママが多いことでしょう。でも、 それではママの疲労はたまるばかり。ちょっとくらい家の中が片付いていなくたって大丈夫。家事は最低限にして、ママの体の回復を優先させましょう。
食事もスーパーのお惣菜を上手に活用するなど、手抜きをすることが大切です。体をあたためる効果のある根菜たっぷりのお味噌汁やスープに、ごはんと豆腐や納豆を添えるだけで、栄養バランス的にはOKです。
具沢山のお味噌汁やスープは、栄養もとれるし、しっかり水分もとれるので、母乳量を増やしたいママにはおすすめのメニュー。一度にたくさん作って、冷凍しておきましょう。
あとは、体の冷えとストレスに注意します。「母乳量が足りていないかも」と思い悩むことは、ストレスとなり、さらなる母乳量不足を招いてしまうこともあります。産院や市区町村役場の担当セクション、また保健センターなどに相談してみましょう。
可能であれば、赤ちゃんをだれかに2〜3時間預けてみて。外へでてリフレッシュしたり、家でだれにも邪魔されずにガッツリ昼寝をしたりすると、気分もスッキリするはずです。
赤ちゃんの体重の増え具合で母乳量をチェック
完全母乳でがんばるママには、常に「母乳はきちんと足りているの?」という不安がつきまといます。これは、自分ではなかなか判断がつきにくいので、まずは赤ちゃんの体重をはかって、体重の増え具合をチェックしてみましょう。
赤ちゃんの体重は、赤ちゃんが生まれた産院や近くの保健センターなどでチェックできます。一時的に、赤ちゃん用のスケールをリース会社からレンタルしてみるのもいいでしょう。体重が思うように増えない場合は、すぐに産院等に連絡を入れて相談してみてください。
間隔をあけずにひたすら授乳
母乳量を増やすためには、とにかく授乳回数を増やすことが大切です。特に、新生児の場合は、「泣いたら授乳」を繰り返しましょう。最初は1時間ごとに授乳が必要なママもいますが、徐々に授乳の間隔があいてくるはずです。
そもそも母乳が作られる仕組みは、まず赤ちゃんがママのおっぱいを吸うと、乳頭が刺激されます。それが脳に伝わって母乳生成のホルモンであるプロラクチンが分泌され、次の授乳に備えて母乳が作られます。
ですから、母乳量をどんどん増加させるためには、授乳回数を増やすことが大事。赤ちゃんの体重の伸びが少ない場合は、あまり間隔をあけずに、頻繁に授乳を行ない、母乳量を増やしていきましょう。
赤ちゃんの1日の哺乳量は個人差が大きい
母乳はミルクと違って目に見えないので、赤ちゃんが1回または1日につき、どれくらいの量を飲んでいるのかわかりにくいものです。特に、赤ちゃんの哺乳量は、個人差がとても大きいため、予測できません。以下、参考までに1日あたりの哺乳量と授乳回数について、一般的な目安をあげておきます。
新生児
生後1週間まで
- 生後日数×10ml+10ml
生後1週間〜1か月
- 1回につき80〜120ml
授乳回数は、赤ちゃんの飲み方やママの母乳量によっても異なります。だいたい1時間半から2時間程度の間隔があきますが、中には産後しばらくは1時間ごとに授乳しているというママもいます。最低でも、1日12回くらいは授乳をします。
生後1か月
生後1か月〜離乳食開始まで
- 赤ちゃんの体重1kgあたり100〜200ml
生まれて1か月ほど経つと、ママの母乳量もだいぶ増えてきて、授乳は2〜3時間ごと、1日8〜12回くらいになります。ただ、哺乳量はかなり個人差があります。
生後2か月
赤ちゃんもおっぱいを上手に飲めるようになり、1回の哺乳量が増えます。授乳間隔はだいたい3時間おきになり、また夜間にぐっすり眠ってくれる赤ちゃんも増えるため、一般的に夜間授乳の回数が減ります。授乳回数は、1日8〜10回くらい。
生後3か月
このころになると、赤ちゃんの吸う力がかなり強くなります。授乳間隔は3時間ほどですが、夜間授乳の回数が減るため、授乳回数は1日6〜8回に。
まとめ
このように食生活や生活内容を少し変えるだけで、母乳量が増え、夕方の母乳量不足も少しずつ解消されるようになります。
母乳量増加のためのキーワードは、十分な睡眠、食事、水分と頻回授乳。忙しい子育て中は、これを実行することすら大変だと思います。でも、今さえ乗り切ってしまえば、母乳は徐々に増えて楽になります。まずは、できることから少しずつトライしてみましょう。もちろん、無理は禁物です。