妊娠初期症状と生理前症候群(PMS)の症状はどう違う?助産師が生理予定日前後の子宮内を写真とイラストで解説します

生理前症候群の女性
突然便秘や下痢をしたり、眠気や倦怠感があります。生理前症候群でしょうか。
妊活中の女性
胸の張りもあるし少し熱っぽい気がします。もしかして妊娠ですか?
助産師・沖さん
妊娠初期にも同じような症状が出るため、妊娠していても気づかない場合があります。反対に「もしかして妊娠かも!」と思ったら生理がきたというように、妊娠初期症状と生理前の症状を間違ってしまうことがよくあります。
今回は、なかなか分かりづらい妊娠初期症状と生理前の症状の違いについて現役助産師が解説しました。

もしかして着床出血だったの? 生理と妊娠初期症状の見分け方は?

助産師・沖さん
「生理がきたと思ったら、実は妊娠していた」という話を聞いたことはありませんか?

これは、妊娠して受精卵が子宮内に着床すると、着床出血といって妊娠していても生理予定日ごろに出血することがあるため、出血を生理だと勘違いしてしまったのだと思います。

助産師・沖さん
逆に、「胸の張りや眠気があるから、妊娠しているかも」と思ったら、生理が始まってしまってがっかり…という話を聞くこともあります。

このように、生理と妊娠初期症状の一つである着床出血はとてもよく似ているため、ときどき判断するのがむずかしい場合があります。ここでは、症状の違いや見分け方、また妊娠検査薬や基礎体温についてお話ししていきたいと思います。

生理前の症状と妊娠初期症状の違いは?


生理前と妊娠初期の症状が似ているのは、どちらも黄体ホルモン(プロゲステロン)が影響しているからです。

助産師・沖さん
この2つは症状がとてもよく似ているので、なかなか自分で見分けるのが難しいのですが、妊娠している場合は、いつもの生理前の症状とは何かが違うと感じる人が多いようです。

生理前の主な症状

生理前の症状は月経前症候群(PMS)と言われ、生理が始まる1~2週間ほど前から起こり、生理が始まると症状が軽減します。
症状や程度には個人差がありますが、主に

  • 胸の張り
  • 下腹部痛
  • 腰痛
  • 便秘
  • 下痢
  • 全身の倦怠感
  • 頭痛
  • むくみ
  • 眠気
  • 吐き気
  • 肌荒れ
  • イライラ
  • 不安

などの症状があります。

妊娠初期の主な症状

妊娠初期には、下腹部痛、腰痛、頭痛、胸の張り、眠気、生理予定日ごろの出血(着床出血)、吐き気、便秘や下痢、全身の倦怠感、おりものの変化、においに敏感になる、食べ物の好みが変化するなどの症状があります。

助産師・沖さん
基礎体温表をつけている場合は、妊娠していると高温期が2週間以上続きます。妊娠初期症状は、生理前の症状とよく似ていますが、妊娠している場合の胸の張りや眠気は、生理前のものよりも少し強く感じることが多いようです。

軽い出血があった場合

生理以外にもさまざまな理由で出血することがありますが、これを不正出血といいます。妊娠したときに起こる着床出血のほかに、排卵時に起こる排卵出血、性交渉後の出血、また生理後に少量の出血がダラダラ続くこともあります。

助産師・沖さん
着床出血は、量や程度、色にも個人差があるので、生理と間違えてしまうこともありますが、そのほかのほとんどの不正出血は生理と比べると量が少なめです。

不正出血があっても、少し膣が傷ついてしまったことによる出血なら特に心配はいりませんが、ホルモンバランスの乱れやなんらかの病気が原因である場合もあります。

助産師・沖さん
なんだか生理とは違うなと思ったら、自己判断せずにすぐに病院を受診しましょう。

基礎体温表で自分の体を知ることが大切!

理想的な基礎体温は、上のグラフのように低温期と高温期の二相性になります。生理開始から排卵までが低温期、排卵後から次の生理までが高温期になります。

低温期の中でガクッと体温が下がる日がありますが、そのころが排卵日で、その前後がもっとも妊娠しやすい時期になります。

基礎体温表は、生理周期や排卵日、妊娠の有無だけでなく、ホルモンの異常なども分かるので、自分の体を知るためにも毎日記録するのがおすすめです。

基礎体温は朝起きてすぐ、動き出す前のいちばん安静な状態で測ります。普通の体温計とは異なる専用の基礎体温計で測らないと、きちんとしたグラフにはならないので注意しましょう。

また、睡眠時間や生活習慣によっても基礎体温は変わってくるので、なるべく毎日同じ時間に測るようにしましょう。3ヶ月くらい基礎体温表をつければ、自分の生理周期をきちんと把握することができます。

高温期は低温期よりも0.3℃以上高いのが理想


高温期は、排卵後から次の生理開始までの時期で、平均14日間と言われています。低温期よりも、体温が0.3℃以上高くなるのが理想です。高温期は排卵後なので、受精、着床して妊娠が成立する時期でもあります。

高温期は、黄体ホルモン(プロゲステロン)の働きによって体温が上がります。この黄体ホルモンは、妊娠の継続をサポートする働きもあるので、妊娠が成立すると高温期がしばらく続くことになります。

助産師・沖さん
高温期が2週間以上続く場合、また生理予定日を過ぎても高温期が続く場合は、妊娠の可能性があります。

検査薬は生理予定日1週間後の使用がベスト!

妊娠検査薬は、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)というホルモンが一定の量になると、試薬が反応するような仕組みになっています。hCGは、受精卵が子宮内に着床すると徐々に分泌が増えていき、妊娠4週ごろから尿中に排出されるようになります。

妊娠3週・妊娠4週頃の子宮の状態は?


そのため、一般的な妊娠検査薬は、hCGが確実に尿中に出てくる生理予定日の1週間後からが使用時期の目安となっています。

hCGの量には個人差があるため、少し早くても反応が出る場合もありますが、正確な結果を得るためにも、生理予定日の1週間後以降に検査することをおすすめします。

生理予定日の1週間後の子宮の状態は?

生理予定日の1週間後は、だいたい妊娠5週目になりますが、このころには超音波検査で胎のう(赤ちゃんの袋)が確認できるようになり、妊娠を確定することができます。

生理予定日ごろに検査薬で妊娠反応が出た場合、すぐに病院に行っても、まだ時期が早すぎて超音波検査で胎のうは確認できません。

助産師・沖さん
尿検査をして、「また1週間後に来てください」と言われるだけで、胎のうが見えないため妊娠を確定することができないのです。

妊娠しているかどうか早く知りたいという気持ちもよく分かりますが、妊娠をきちんと確定するためにも、妊娠検査薬の使用も、病院への受診も、生理予定日の1週間後以降がいいでしょう。

検査が早いと判定線が薄く出ることも


妊娠検査薬の判定線が薄い場合は、検査する時期が早すぎてhCGの分泌量がまだ少ないということが考えられます。この場合は、2〜3日待ってからもう一度検査をすると、線がはっきり出てくると思います。

水分摂取などで、尿が薄まってしまったときにも、hCGの濃度が下がって線が薄く出ることがあるようです。

助産師・沖さん
確実な結果を得たい場合は、朝起きてすぐの最初の尿で検査をするのがいいでしょう。

蒸発線の可能性も


また、判定線が薄い場合は蒸発線である可能性もあります。

助産師・沖さん
蒸発線とは、尿が蒸発するときにぼんやり出る線のことで、簡単に言うと検査薬の誤反応です。判定時間外に薄い線が出たり、薄い線が出たあとしばらくすると消えてしまったという場合は、蒸発線である可能性が高いでしょう。

妊娠検査薬の判定線が消えた場合は?

判定線が消えた場合は、上記で言ったような蒸発線だった可能性があります。また、一度は陽性反応が出たのに、数日後に検査したら陰性だったという場合は、ごく初期の流産が考えられます。

これは、受精卵が子宮内に着床したものの、染色体の異常などにより、妊娠が継続できなかったケースです。

助産師・沖さん
超音波検査ではまだ何も見えない妊娠超初期の流産で、これを「化学的流産」といいます。

化学流産に気が付くのはこんな時

化学的流産は、生理予定日ごろに起こるので、普段は生理がきたと思うだけでほとんどの場合は流産には気がつきません。妊娠検査薬には、生理予定日当日から使えるものもあるのですが、これを使って生理予定日前にフライング検査をすることにより、化学的流産に気づいてしまうケースがあるのです。

助産師・沖さん
これはとても悲しいことですが、初期の流産は赤ちゃん側に問題があることが多く、防ぐことはできません。落ち込みすぎることなく、次の妊娠に期待しましょう。

まとめ 助産師からのアドバイス

妊娠初期症状についていろいろとお話ししてきましたが、妊娠検査薬の使用と病院を受診するタイミングは、生理予定日の1週間後以降をおすすめします。

妊娠しているかどうかを早く知りたい気持ちはとてもよくわかりますが、超音波検査で胎のうが見えない時期に病院に行っても、尿検査しかできず、妊娠を確定することもできません。時期を待って受診したほうが、確実に妊娠の確認ができるので嬉しいですよね。

助産師・沖さん
基礎体温表は、妊娠を希望する女性はもちろん、若い女性にもぜひつけてほしいなと思います。排卵日や妊娠しているかどうかがわかるだけでなく、自分の体の状態や変化をきちんと知ることができるのでおすすめですよ。

基礎体温や妊娠初期の症状から、「妊娠かも!?」と思った場合は、病院で妊娠かどうかを確認するまで落ち着かないと思います。受診するまでの間は、普段通りの生活でかまいませんが、出血や下腹痛がある場合には、すぐに病院を受診しましょう。

病院で妊娠の確認ができて、さらにその後に赤ちゃんの心拍が確認できるまで。また、最終的には赤ちゃんが生まれるまで、妊娠中は何があるか分からないということは知っておいてほしいと思います。

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