妊娠前にアルコールを飲む習慣のあったママもいますよね。
妊娠中のアルコールは何杯まで飲んでいいのか気になるところではないでしょうか?
妊娠中に注意が必要なものといえば、喫煙・カフェインやアルコールの摂取ですね。
カフェインについては1日に1~2杯であれば大丈夫とされています。
- 1杯くらいなら大丈夫じゃないの?
- 妊娠初期だけ注意すればいいんじゃないの?
と思っていらっしゃるママも多いと思います。
でも、アルコール摂取に関する最新の知識を知っていないと、後悔することになるかもしれません。
先天性疾患や発達障害などの発生を含めて、行政の子育て支援事業をサポートしている保健師がご説明します。
間違っていませんか?妊娠中のお酒の知識
妊娠中のお酒については、いろいろな噂が流れているようですね。
という情報もありますが、
体格の小さい日本人では、更にアルコールに注意が必要です。
更に、少量の飲酒であっても、胎児性アルコール症候群を引き起こしたケースも報告されています。
どれくらいの量をいつ飲んでよいかとネットの情報を探していませんか?
個人の体質によっても異なるため、実は日本女性は飲まない方が安全としか言えません。
米国小児科学会からの警告
米国小児科学会から、「妊娠中は一切のアルコール摂取をしてはならない」という内容の報告書が発表されました。
内容としては、
・聴覚や視覚、心臓、骨、腎臓などに問題が起きる
・情報処理能力や注意欠陥多動性障害(ADHD)の原因にもなる
ということが報告されています。
更に、妊娠中に飲酒した場合、子どもに疾患や障害が生じる可能性は、飲酒しなかった場合と比べて
妊娠3カ月目まで飲酒した場合 12倍
妊娠6カ月目まで飲酒した場合 61倍
妊娠9カ月目まで飲酒した場合 65倍
に高まるという報告がされています。
胎児への影響をご存知ですか?
アルコールを飲むと、妊婦さんの体の中でどのようなことが起こるかご存知でしょうか?
口から入ったアルコールは胃で吸収され、血液中を流れていきます。
ママの血液から、赤ちゃんにとって有害なものを取り除いてくれる役割を持つのが「胎盤」です。
そしてアルコールは、お腹の中の赤ちゃんの血液にも流れていってしまいます。
赤ちゃんの血液にアルコールが入ると、赤ちゃんに「胎児性アルコール症候群」という症状が現れる可能性があります。
これは、母親の飲酒が原因で、赤ちゃんに精神発達遅延や出生時の低体重・低身長、特徴的な顔貌などが現れることを言います。
特に、妊娠初期は顔貌や奇形への影響が強く、中期以降は精神発達遅延や赤ちゃんの発育不全への影響が多いとされています。
胎児性アルコール症候群は、治療法はないため、妊娠中の禁酒以外に避ける方法はありません。
妊娠に気が付かず飲酒してしまったら…
妊娠に気付く前の飲酒は、大量飲酒を連日続けていた場合でなければ、さほど心配はいりません。
ただし、妊娠に気付いたら禁酒をするようにしましょう。
妊娠前の飲酒量が多く、飲酒が習慣化している妊婦さんの場合、お酒をやめるのはなかなか大変です。
主治医に飲酒の状況についてきちんと報告し、必要であれば、専門の医療機関を紹介してもらいましょう。
「お医者さんにお酒のことを言ったら怒られるのではないか」と、隠れて飲酒を続けるのが一番危険です!
どうしてもアルコールを飲みたい!
アルコールの危険性は良くわかっても、たまには飲みたい妊婦さんは、ノンアルコールドリンクを上手に活用しましょう。
一般的なのは、ノンアルコールビールです。
最近では、ノンアルコールのカクテルや梅酒も増えてきています。
ノンアルコールのシャンパンは、風味も良く、クリスマスやお正月などお祝いごとのときも楽しめますよ。
お酒が自分へのご褒美であった人は、ご褒美を新しいものに変えてみてはどうでしょうか?
1日にビール1缶を飲んでいた人は、1缶当たり180円×7日で、1週間で1260円もお金が浮いたことになります。
これが1カ月ならば5000円近くになります。
月末に好きなものを食べに行ったり、アクセサリーなどを購入するのも良いのではないでしょうか?
まとめ
妊娠中の飲酒は例え少量であっても、赤ちゃんに障がいを引き起こしてしまう可能性があります。
「知り合いは妊娠中、毎日お酒を飲んでいたけど、赤ちゃんは問題なかったから…」
と、思っていませんか?
周りのお友達がアルコールを飲んでも大丈夫だったから、などという考えもとても危険です。
偶然、悪い影響が出なかっただけかもしれません。
お腹の中の赤ちゃんを守ってあげられるのは、ママ1人です。
ノンアルコールドリンクや自分へのご褒美を活用して、妊娠中の飲酒は可能な限り控えるのが安心です。