切迫流産になる6つ原因と流産の予防法~不安にならないで!【保健師コラム】

助産師

切迫流産という言葉を妊娠して初めて聞いた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
流産とは、妊娠21週6日までの間に赤ちゃんが子宮の外へ流れでてしまい、妊娠が継続できない状態をいいます。
しかし、切迫流産とは、『流産になりかけている状態』です。そのため、妊娠を継続できる可能性があります。
切迫流産は決して珍しいことではなく、全妊娠の15%がなると言われています。

つまり、妊婦さんの6~7人に1人。他人事ではありませんね。
妊娠12週までの流産は防げる?流産の体験談と神経管閉鎖障害の防ぎ方

切迫流産の症状を知って、流産を防ごう!

性器からの出血と、下腹部の痛みが主な症状です。
少量の出血や軽い下腹部痛は、妊娠初期には多いものです。
けれど、出血の量が増えたり、激しい下腹部痛になってからでは、手遅れになってしまうケースも。
出血や痛みに気づいたら、病院に相談するか受診をするようにしましょう。

切迫流産の症状を知っていますか?

切迫流産という言葉を聞くと、「流産」という言葉が入っているので、赤ちゃんが亡くなってしまったのではないかと心配になるかと思います。
しかし安心してください。
流産が「差し迫っている」という状態なので、これに気づき、正しい対処をすれば十分に流産を防げる可能性が高いのです。
妊娠22週未満で子宮からの出血があった場合、切迫流産と呼ばれます。
軽度な状態を含めると妊婦さんの二割から三割が切迫流産を経験するようです。

切迫流産の症状

代表的な症状

  • 不正出血がある
  • お腹が頻繁にはる
  • 下腹部痛

助産師

流産や切迫流産で起きる場合だけでなく、正常妊娠でもこのような症状が起こります。
※腹痛があまりにも酷い場合は、異常性妊娠(かつての子宮外妊娠)の可能性もあるので、病院に相談しましょう。

不正出血に気づくためのアドバイス

不正出血に気づくために

    • 色や柄の濃いショーツは避けてください
    • マタニティ専用のショーツを身につけましょう!
    • トイレに行ったときはティッシュに血がついていないかも確認

助産師

妊娠中、出血のトラブルは多いものです。
少量の出血でも気付けるように、気を付けてください。

切迫流産の原因を知っていますか?

切迫流産の原因には次のようなものが考えられます。

1.頸管無力症(けいかんむきりょくしょう)

妊娠14~15週を過ぎて切迫流産になる方の中では、この頸管無力症の割合が高くなります。
頸管無力症とは、体質的に子宮頸部(子宮の入り口)の力が弱いため、赤ちゃんが大きくなってきたときに支えきれなくなるものです。
初期は無症状ですが、定期的に健診を受けることで発見できます。
子宮頸管無力症で入院!入院生活と入院費・保険で知っておきたいこと 切迫早産を防ぎたい!子宮頸管無力症の手術と術後の生活と上の子の預け先

2.子宮の出口の炎症

クラミジアなどの感染症が原因の場合もありますが、原因不明の炎症が起こることもあります。
妊娠超初期の下痢・出血が続く理由と50人の体験!今すぐしたいことは?

3.子宮筋腫

子宮筋腫は、大きさや位置によって、妊娠に影響がある場合があります。
妊娠3か月のお腹の赤ちゃんの成長をエコー写真とイラストで解説!この時期にしたいこと

4.子宮頸部円錐切除後

子宮頸がんなどの治療のため、子宮の入り口を切除することです。
妊娠4か月のお腹の赤ちゃんの成長をエコー写真とイラストで解説

5.胎盤後血腫

受精卵が着床するときに、胎盤と子宮の間に血液が溜まってしまうことです。

6.過労・冷えなど

過労や冷えなど、母体への負担が原因になることもあります。
妊娠2か月のお腹の中では何が起こっているの?エコー写真とイラストで解説

切迫早産の体験談

20代後半・金融業・東京都

私はある日トイレにいったときに、不正出血があることに気づきました。
それほど多い出血ではなかったのですが、このまま見過ごしてお腹の赤ちゃんになにかあっては大変だと思い、すぐに病院で診てもらいました。
病院の母親教室やプレママ向けの雑誌等を読んでいて、不正出血があったらお腹に異変があるサインだということを知っていたので、病院に行くことにしました。
病院に行って、先生に診てもらうと切迫流産ということでした。
お腹がキューっと締め付けられるような痛みが何度か感じたことがあり、どうやらそれが、切迫流産のサインだったようです。

20代・飲食業・東京都

1週間はトイレやご飯以外は極力動かないようにということでした。翌週からはお腹の張りもおさまって、普段通りの生活に戻れました。
自分の判断で多少はお腹が張っていても、妊婦さんはこんなもんだと思ったのが間違いでした。
少しでも何か異変があれば、病院で診てもらうことが大事だと実感しました。

切迫流産・切迫早産になった時の対処法

次のページへ