流産は状態によって5種類に分けられます。
切迫流産
流産発生の危険がある状態です。少量の出血や下腹部の張りや痛みなどの症状がありますが、胎児の心拍が確認できます。安静や張り止めのお薬を使用して症状が落ち着けば妊娠の継続は可能です。
進行流産
流産が進行している状態です。子宮口が開いてしまい、大量の出血と強い下腹部痛があります。胎児が確認できない、または胎児が確認できても心拍はなく、妊娠の継続はできません。手術で子宮内をきれいにする必要があります。
完全流産
胎児およびその附属物が完全に外にでてしまった状態です。今まであった出血や下腹部痛が軽減、またはなくなり、胎児になる前の胎嚢(たいのう)という袋の消失や胎児の確認ができません。完全流産の場合、特に治療は必要ありません。
不全流産
胎児およびその付属物が完全に排出されず、一部が残っている状態です。進行流産がもっと進んだ状態で、出血や下腹部痛が持続します。手術で子宮をきれいにする必要があります。
稽留(けいりゅう)流産
胎児が子宮内で死亡し、子宮内に停滞している状態です。妊娠6週を過ぎても胎児や胎児心拍がみえない場合です。母体には自覚症状がありません。そのため、健診に行って初めて気づくことになります。こちらも手術が必要になります。
3.下痢と流産は関係ない
下痢というとすべて外にでてしまうイメージがありますね。おなかにも負担がかかりそうで、流産を引き起こすのではと不安になると思いますが、下痢と流産は関係性がありません。
ただ、長引く下痢によって脱水症状や栄養不足になると赤ちゃんにも栄養が届かなくなってしまうので注意が必要です。下痢が長引く場合や発熱などを伴う場合には診察を受けるようにしましょう。
では、なぜ妊娠初期に下痢が起こりやすいのでしょうか?妊娠中は様々な要因から下痢になりやすいのです。
妊娠初期に下痢が起こりやすい理由
妊娠中にはホルモンバランスが変化します。妊娠の継続に必要なプロゲステロンというホルモンがあります。このプロゲステロンは腸の運動を抑制する働きもあるので、自律神経が乱れてしまい便秘や下痢になりやすくなります。
他にも、つわりによる食生活の変化や妊娠による免疫力低下、ストレスや冷えなどによっても下痢が起きやすくなります。
妊娠初期には下痢が起こりやすいといっても下痢が続くとつらいですよね。下痢があるときは、まず、体を温めるようにしましょう。
4.助産師からのアドバイス
助産師
ただ、下痢が長く続いてキツイときや、下痢とともに出血があり、おなかの張りや痛みが強いような場合は病院を受診するようにしてくださいね。何事も自己判断は危険ですので、不安なときや悩んだときには相談するようにしましょう。
まとめ 安心して楽しい妊娠生活を!
流産と下痢について関係性はないと説明しましたが、いざ自分の身に起きるとどうしても不安になるものですよね。
妊娠中はいろいろと変化がありますし、赤ちゃんのことを思うとたくさんの心配や不安がでてくると思います。最近はネットや雑誌など情報源も多く、いろいろな情報に惑わされることも多くなっている気がします。
心配なことや不安なことは病院で聞きましょう!安心して楽しい妊娠生活が送れることを願っています