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不安障害でも妊娠出産できる?妊娠初期はどうすればいい?〜元精神科看護婦がお答えします〜

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妊娠出産というのは女性にとって人生の中の大きなイベントのひとつ。妊娠が判明すると今後のことが心配になるのはごく普通のことです。特にパニック障害などの不安障害をお持ちの方は妊娠が継続できるか、無事出産までたどり着けるか不安や心配になると思います。今回は不安障害を持つ妊娠初期のママの疑問にお答えしたいと思います。

精神科に通っているけど赤ちゃんは無事に出産できる?抗不安薬や抗うつ剤はどうしたらいいの?

妊娠初期の対処法

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パニック障害をお持ちで妊娠した場合、今後の治療がどうなるか、お腹の赤ちゃんへの影響を心配されていると思います。例えば、このような疑問や不安をお持ちではないでしょうか?

  • 妊娠中の不安障害の治療はどうなるの?
  • 薬を飲みながらも妊娠を続けられるの?薬をやめなければならないの?
  • もし薬を続けるならば、内服することでお腹の赤ちゃんに影響があるの?
  • 妊娠中にパニック障害の発作が起きたらどうすればいいの?
  • 出産までどのように過ごしたらよいの?

よく「精神科の薬を飲んでいるので赤ちゃんを諦めなければなりませんか?」との質問を受けましたが、私が勤務していた精神科では、パニック障害をお持ちの患者さんでも無事に出産された例があります。
パニック障害があるからと妊娠出産を諦めなくても大丈夫なのです。妊娠出産のためには、ママの病気をサポートする医療チームとの連携と家族や周りの理解とサポートが一番重要なのです。

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ソラナックスなど抗不安薬など治療薬は妊娠中どうしたらいいの?

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Q:抗不安薬を服用しています。服薬はすぐに中止した方がよいでしょうか?

A:自己判断はせず、医師に相談しましょう。
パニック障害で妊娠した場合、すぐにでも主治医の先生と相談をしましょう。というのも、妊娠したことでのホルモン変化の影響や、今後への不安からパニック発作が起こりやすい状態ですし、何よりも内服薬のお腹の赤ちゃんへの影響を考えなければならないからです。
だからと言って自己判断で急に内服を止めるのは症状をさらに悪化させる可能性があります。今の精神状態と妊娠の状態を正確に判断して、妊娠・出産時の治療計画を立てていく上でも医師との相談は欠かせないのです。

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妊娠によって目まぐるしくママを取り巻く環境が変わってきます。診察を受ける時はママも不安になると思いますし、公共交通機関を乗り継いで人混みの多い病院へ行くことがパニック発作の原因になるなどママの負担になる場合もあります。できればパパやご家族の方についてきてもらえると安心ですね。

Q:抗不安薬が胎児に与える影響について知りたいです。

A:ソラナックスが胎児に与える影響については否定的な見解が多いですが、判断は医師にゆだねましょう。
一般的にパニック障害ではソラナックス、コンスタン(一般名:アルプラゾラム)が処方されている場合が多いです。
今までソラナックスを内服して赤ちゃんに障害が出たり悪影響があったという報告例ははっきりしていないようです。以前は同じ系統であるベンゾジアゼピン系の抗不安薬の内服によって口唇裂や口蓋裂の先天奇形が多くなると考えられていましたが、その後の研究結果により現在は否定的な見解が多いです。

しかし動物実験では、ソラナックスの大量投与で骨格異常、死産や出産後の発育遅延が認められています。妊娠3ヶ月以内または妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合においてのみ薬の投与することとしています。また妊娠後期も同様です。

妊娠中パニック発作が出た時どうすればいい?

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Q:つわりやマタニティブルーなど、妊娠中のトラブルが不安です。

A:専門家とのサポート体制を整える方法を家族と一緒に探しておきましょう。
妊娠初期での一番の困りごとが“つわり”です。
実際に私が見た患者さんの中でもつわりの辛さをお話ししてくださる方がいました。つわりによって予期不安がひどくなって大変だったそうです。つわりでも体が辛いのに、予期不安でさらに落ち着かないとなるとその苦痛は計り知れません。

そんな時は自分で抱えず周りに助けを求めてください。ご家族はもちろん、主治医、ナース、助産師に今の状況を話して、必要なケアや治療を受けてください。また妊娠中は通常とは体の状態が違うので内服薬・頓服薬が変更になっているかもしれません。パニック発作が起こった場合、どのように対応すればいいのかあらかじめ説明を受けておくと安心ですね。

また、最寄りの地域の保健センターでは妊娠・出産の相談を受け付けているところが多いです。そういったところへあらかじめ相談されるのも一つの方法です。いずれ出産後に保健師さんの自宅訪問があったり、乳児健診などで保健センターに足を運ぶ機会も増えると思います。妊娠時より保健師さんとお互いに顔見知りになっておけば、出産後の相談もしやすくなりますよ。

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精神疾患を持つ妊婦は出産までにどう過ごしたらいいの?

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Q:精神科と産婦人科、どちらの指示に従えばよいのでしょうか?

A:助産師・ナース・精神科医師との緊密な連携が欠かせません。どちらにも今の状態を詳しく申告しましょう。
精神科と産婦人科の連携が必要となってきます。初めて産婦人科に受診の際には、精神科に受診していることを告げて、お薬手帳など内服状況がわかるものを必ず持参してください。できれば、精神科から現在の病状を説明した紹介状を前もってもらっておき、産婦人科受診時に持参すると連携が取りやすくなりますよ。

状況によってはかかりつけの個人医院での出産ではなく産婦人科と精神科がある総合病院への転院をすすめられる場合もあります。これはお腹の赤ちゃんとママへのサポートを万全にしようという医療チーム側の判断ですから心配はいらないですよ。ママの安全なお産に向けて、精神科医師、産婦人科医師、助産師、精神科ナースは密に連携を取っています。安心してわからないこと、不安なことは相談してください。

Q:産後、自分が子育てをできるのか不安です。

A:一人で抱え込まないことが大事です。今から、産後のサポート体制を少しずつ考えておきましょう。
まだ妊娠初期なので焦らなくてもいいのですが、妊娠中から出産後のサポート体制を考えておくと楽ですよ。出産後はホルモン変化のため精神的に不安定になりやすく、産後うつも発症しやすい時期。赤ちゃんのお世話など初めての体験が多く、ママは十分に眠れない忙しい日々が続き、パニック発作も起きやすい状況です。

産後のママの調子が悪く赤ちゃんのお世話ができないこともあると十分考えられますので、家族に産後のサポートをお願いできるか頼んだり、家族のサポートが受けられない場合はファミリーサポートなどをお願いするなどあらかじめ対策を練っておくことが大事です。

Q:妊娠中のことを想像すると、不安でたまりません

A:特に初めての妊娠は不安になるものです。無理をせずリラックスした生活を心がけましょう。
初めての妊娠であれば誰しもが不安になるもの。パニック障害があれば、なおさら不安で辛いかもしれません。まずはリラックスできる環境づくりをして、無理をせず良く休める環境作りが大切です。パニック発作が起きやすい人混みを避けたり、家事や仕事を完璧にしようとせずに休みながらするなどの工夫もしてみてくださいね。

赤ちゃん(胎児)へのリスクが心配

妊娠してママが一番気になることは、内服薬が赤ちゃんに悪影響を及ぼすのでは?ということではないでしょうか?赤ちゃんの安全のためにも妊娠中に内服を全て止まなければならないかというと、そうとも言い切れないのです。

FDA(アメリカ食品医薬品局)では、医薬品の胎児への影響をわかりやすく5つのカテゴリーに分類していました。(現在はカテゴリー分類ではなく記述式に変更)

ソラナックスの場合、「胎児にリスクがありその根拠もあるが、その薬を使うことで妊婦に利益がある場合は使用も容認できる場合もある」と定めています。
つまり内服を止めることでの妊娠中のママの症状悪化のリスクと、薬がもたらす胎児へのリスクとを比べた場合、ママの内服を続けた方にもっと利益があるならば、内服は続けていこうというのが現在の精神科治療のスタンスなのです。

妊娠を継続させるためには、ママの状態安定が一番です。ママが落ち着いた状態でいないとお腹の赤ちゃんにも影響が出てしまいます。妊娠中は内服量も調節してできるだけ最小に抑えたり、状況によっては一時休薬すると思いますし、医師によってはよりリスクの少ない別の内服薬や漢方薬へ処方を変更するかもしれません。

内服薬が引き起こす赤ちゃんへのリスクを考えて、精神科の医師も産婦人科の医師も動いてくれますので心配はいりません。もちろん疑問に思うこと、不安に思うことはそのつど医師に相談していくことが大切ですよ。

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まとめ

不安障害、パニック障害を持ちながらの妊娠は心配なことだらけで不安なのではないでしょうか?
しかし、精神科・産婦人科がしっかり連携することでパニック障害でも無事にお子さんをその手に抱いたという例はたくさんあります。内服による赤ちゃんへのリスクは心配かと思いますが、現在までにソラナックス内服による赤ちゃんへの影響が現れたという例ははっきりと認められていません。

精神科の主治医の先生とよく相談して、内服薬を調節してもらうことが大事です。
大切なのは一人ですべて抱え込まず、周りにサポートしてもらうこと。辛い時は我慢せずに周りに相談してみてください。あなたのマタニティライフが心穏やかなものになるよう応援しています。

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