妊娠初期の下痢のような腹痛が起こる原因といつまで続くか?薬を使わない自宅ケアとは?

助産師

この記事を読むと、
妊娠初期に下痢や下痢のような腹痛が起きる原因は?
妊娠初期の下痢や腹痛はどんな時期に起こりやすい?
おなかの赤ちゃんは大丈夫?
どんなことに気を付けたらいいの?

の疑問がすっきりしますよ!

妊娠初期に下痢のような腹痛が起きる原因は?

妊娠をすると、子宮が成長するだけでなく、ホルモンバランスや血流量などにも変化が起こるのをご存じでしょうか?
特に体内のホルモンバランスは、受精卵の着床とともに急激に変化します。例えばhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)や黄体ホルモン(プロゲステロン)は、妊娠すると分泌量が増加していきます。

助産師

こういったホルモンは、妊娠を継続させる働きをもつ一方、筋肉の収縮を抑える働きによって消化器官の動きを鈍くしてしまうことも。そのために、消化がうまくいかずに腹痛の原因となることがありますよ。

またホルモンバランスの変化は、自律神経の乱れも引き起こします。自律神経が乱れると、体が冷えやすくなったり、胃腸の働きが悪くなったりすることもあります。その影響もあり、妊娠初期は下痢のような腹痛になりやすい状態にあるのですね。
また妊娠初期には、胎児を育てるために子宮周辺の血流量が増え、子宮が大きくなりはじめます。そういった体の変化を、下腹部の違和感として感じたり、腹痛として感じてしまう人も少なくありません。

妊娠初期に下痢をしやすい理由は?


妊娠4週頃に受精卵が子宮内膜へ着床すると、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンの分泌量が急激に増加しはじめます。
hCGは、子宮内膜を厚くしたり、血流や体温を調節する働きを持っています。妊娠を継続しやすい体にしてくれるホルモン、というわけですね。

妊娠継続のために重要なhCGですが、急激なホルモンバランスの変化は、自律神経のバランスを乱してしまう原因になります。

助産師

自律神経が乱れた体は、消化吸収が上手くいかなかったり、「冷え」が起こりやすい状態。そのため、妊娠していないときよりも、下痢が起こりやすいのです。

またhCG自体にも、胃腸の動きを鈍くしてしまう働きがあります。その影響もあり、食べたものの消化がうまくいかずに下痢症状がでてしまうこともあります。

妊娠初期の下痢や下痢のような腹痛はいつからいつまで?


妊娠初期の下痢や腹痛、早くおさまって欲しいですよね。妊娠初期の下痢や腹痛の主な原因は、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンだといわれています。このホルモンが急激に増加するために、下痢や腹痛になりやすくなっているのですね。

助産師

hCGの分泌量は、受精卵が着床すると急激に増加していきます。そのため、hCGの影響による下痢や腹痛も、妊娠4~6週頃から始まることが多いでしょう。
hCGの分泌量は妊娠8~12週頃にピークを迎え、ピークを過ぎたあとは徐々に減少していきます。下痢や腹痛に悩まされていた方も、hCGの分泌が落ち着いてくる妊娠16週頃には症状が軽減してくることでしょう。

ただ、下痢や腹痛の原因となるのはhCGだけではありません。プロゲステロンなど、hCG以外のホルモンの分泌量の変化によっても、下痢や腹痛が起こることがあります。場合によっては出産まで下痢や腹痛が続いてしまうこともあります。
ストレスや冷えも下痢や腹痛の原因になることがあるので、妊娠初期を過ぎても体調には気を配るようにしてくださいね。

妊娠初期の下痢は赤ちゃんにどんな影響があるの?

妊娠初期に下痢があると、お腹の赤ちゃんは大丈夫なのか心配になってしまいますね。
「妊娠初期に下痢が起こると流産する」という噂もあり、妊娠初期の下痢=流産の兆候と思ってしまう方もいるようです。

助産師

妊娠初期に下痢があっても、下痢以外の症状が特にみられなければ、心配する必要はありません。ホルモンバランスの変化による生理的な下痢は、流産とは関係のないものです。
妊娠初期の生理的反応としての下痢で子宮の収縮が起こるということもありませんので、安心してくださいね。

ただ、下痢が一日中止まらず脱水症状がでてしまうなど、生理的な範囲を超えた病的な症状には注意してください。お母さんの全身症状が悪化すれば、赤ちゃんにも影響する場合もあります。そんなときには早めに医療機関を受診してくださいね。

妊娠初期の危険な腹痛の特徴は?

妊娠初期には、ホルモンバランスの変化などで腹痛が起こることもよくあります。たいていは、母体が妊娠に適応する過程での生理的な腹痛なので、病気でもありませんし、心配しすぎる必要はありません。

ただ、以下のような症状がある場合は、病気などの危険性もありますので注意が必要です。

  • 立っていられないほどの強い痛みや、ズキズキとした強い痛みがある
  • どんどん痛みが激しくなってくる
  • 腹痛が継続的に続く
  • 腹痛とともに、鮮血の出血がある
  • 体温が低下してくる

助産師

特に、激しい腹痛と出血が同時にみられる場合は、流産や子宮外妊娠といった異常の可能性もでてきます。適切な処置をすれば妊娠を継続できることもありますので、いそいで医師の診察を受けてくださいね。

生活面でできることはある?


妊娠初期の下痢や下痢のような腹痛は、ホルモンバランスの変化から起こることが多くあります。病気ではなく生理現象なので、「治す」というより「和らげる」ということに主眼を置くと、うまく乗り切ることができますよ。

助産師

大切なポイントは、体の冷えを防止することです。冷えは下痢や下痢のような腹痛の直接的な原因になってしまいます。
以下のようなことに気をつけて、体が冷えないように生活していきましょう。

  • 体幹(お腹)を冷やさない服を選ぶ
  • 足首、手首、足先が露出しない服装にする
  • 腹部の締めつけが少ない服を着る
  • 冷たい飲み物は避け、常温または温かい飲み物を選ぶ
  • よもぎ蒸しパックなどで、体を温める

体を冷やさないためには、自律神経を整え、リラックスすることも重要です。自律神経が乱れると、全身の血流が悪くなったり、体の冷えが進んでしまうことがあるからです。
仕事や家事の合間に深呼吸をしたり、マタニティヨガをすると、自律神経を落ち着かせることができますよ。

妊娠初期の下痢のような腹痛をどうにかしたい!市販薬は飲んでも大丈夫?

妊娠初期の下痢のような腹痛は、体も辛いですし、精神的にも疲れてしまいますね。仕事や家事をしたくても、下痢や腹痛があるとなかなか集中できくて困ってしまうこともあると思います。

妊娠していない時ならば、下痢止めや痛み止め、胃腸薬などの市販薬を飲んで症状を軽くすることができますよね。妊娠初期の下痢や腹痛のときにも、同じように服薬したくなるかもしれません。
しかし、妊娠初期の薬の服用は慎重に行う必要があります。お母さんが服用した薬の成分は血液にのって子宮の赤ちゃんにも送られてしまうからです。

特に妊娠4週~妊娠10週の期間は、中枢神経、心臓、目や手足、耳など、赤ちゃんの器官が形成される重要な時期。赤ちゃんが薬に最も敏感な時期とも言われており、赤ちゃんの発育のためにも服薬には慎重になりたい時期ですね。

助産師

下痢や下痢のような腹痛がひどく、どうしても服薬したい場合は、市販薬を飲む前に医師へ相談してくださいね。妊娠中に飲んでも大丈夫な薬を処方してもらい、それを服用するようにしましょう。

妊娠初期に赤ちゃんのためにしてあげたいこと


妊娠初期は、赤ちゃんが体の器官を作りあげていくとても重要な時期です。手足や内臓はもちろん、脳や神経系もこの時期に形成されていくんですよ。実は、赤ちゃんにとって重要なこの時期に葉酸が不足すると、神経管閉鎖障害の発症リスクが高まるとの報告があります。

神経管閉鎖障害では、赤ちゃんの中枢神経系が正常に発達せず、運動機能に先天性障害を持って生まれる可能性も。神経管閉鎖障害の発症を防ぐため、厚生労働省は2010年に葉酸をサプリなどから摂取するよう勧告を出しました。

しかし、まだ妊娠初期の葉酸の必要性について知らない人も多く、適切な時期に葉酸を摂取できない妊婦さんが多いのも事実です。厚生労働省の勧告がでたあとも神経管閉鎖障害の発症率は改善されておらず、毎日新聞のWEBサイトでは2017年7月に徹底した周知を呼びかけました。
なお、厚生労働省の勧告では、妊娠している女性は葉酸を1日0.4mg以上摂取するよう推奨されています。

葉酸には、ポリグルタミン酸型とモノグルタミン酸型というふたつの種類があります。食品に含まれるポリグルタミン酸型は、体内に吸収されにくく、吸収率は30~50%程度です。一方、サプリメントに含まれるモノグルタミン酸型は体内に吸収されやすく、吸収率は約85%です。

助産師

モノグルタミン酸型葉酸を含むサプリメントを賢く活用して、効率よく葉酸を摂取してくださいね。