妊娠初期に下痢になってしまい、「お腹の赤ちゃんは大丈夫?」と心配な方もいるかと思います。
助産師
ただ、下痢症状の他に、激しい腹痛や出血が見られる場合は注意してください。流産を含めた、何らかのトラブルが発生している可能性があります。早めに医師の診察を受けるようにしましょう。
要注意なのはどんな症状?
妊娠初期の下痢の多くは、ホルモンバランスの乱れから起きている生理的な症状です。つらい症状ではあるのですが、お母さんや赤ちゃんの命には別状はありません。
しかし、以下のような症状がある場合は注意が必要です。
- どんどん痛みが激しくなってくる
- ズキズキとした強い痛みがある
- 継続的に腹痛が続く
- 生理と同じくらいの出血がある
- 血の塊がでている
- 体温が低下している
助産師
着床出血とそれ以外の出血の違いは?
着床出血の色や量には個人差があり、人によっては生理のような鮮血がでてくることもあります。時期的にも、着床出血は生理予定日の数日前~当日の期間に起こるため、生理と区別がつかない!という方も多いかもしれませんね。
一般的には、着床出血の血の量は生理よりも少量で、期間も2~3日と短期間で終わることがほとんどです。また、色も茶褐色であったり、おりものに血が混じって色がついた程度であることが多いです。
助産師
市販薬は飲んでも大丈夫?
妊娠初期に下痢や出血があっても、なかなか病院に行く時間が取れない場合もあるかもしれません。症状をやわらげるために、市販の薬を飲みたくなることもあるでしょう。
しかし、妊娠初期は、胎児の中枢神経や心臓、手足、耳や目などが形成される大事な時です。とくに妊娠4週~妊娠10週までは、胎児が最も薬に敏感な時期であると言われているんですよ。
助産師
症状がひどい場合でも市販薬の服用はできるだけ避けて、医師による診断・投薬を受けるようにしてくださいね。
食べ物や飲み物はどんなものを選べばいいの?
下痢の症状がでている時は、体から水分が排出され、体内が水分不足に陥りやすくなっています。脱水症状が進むと、血液がドロドロになったり、命にかかわる症状につながることもあります。
助産師
妊娠中は、カフェインやアルコールは避けなければなりません。水分補給は、水や白湯、ノンカフェインのお茶、お味噌汁などで行いましょう。
食べ物についても、胃腸に負担がかからないことを第一に考えてくださいね。刺激物や冷たすぎるようなものは避けましょう。うどん、スープなどの温かくて消化のよい食べ物を、よく噛んで少量ずつ食べましょう。食べる回数も、一日3回にこだわらず、5~6回などに増やして少量ずつ食べることもおすすめです。
どんなふうに過ごしたらいいの?服装は?
助産師
- 締めつけのすくない服を選ぶ(締めつけがあると、血行が悪くなり、冷えが進行する)
- 首元、手首、足首の露出を抑える
また、緊張が続いたり、疲れが溜まったりすると自律神経が乱れ、冷えも進行しやすくなります。毎日の生活では、リラックスしてゆったりと過ごすとよいですね。
仕事や育児家事でどうしてもイライラしてしまうときには、少し時間をとって深呼吸してみましょう。部屋の中を少し歩き回るだけでも、血行がよくなり、リフレッシュできますよ。無理にならない範囲で、ストレス解消に努めてみてください。
どんな症状がでたら病院に行けばいいの?
妊娠初期の下痢や出血は心配のないものも多いのですが、以下のような症状がある場合は注意が必要です。
- 鮮血がどんどんでてくる
- 下痢や出血とともに、激しい腹痛がある
- 体温が下がってくる
- ひどい全身倦怠感がある
- 嘔吐をくりかえす
助産師
また、医療機関を受診する際には、移動中の容体の悪化も想定し、無理のない移動方法で向かってください。同行者がいてくれると安心です。また、医療機関で別の感染症などもらわないよう、マスクの着用や、手指の消毒なども励行するようにしてくださいね。