助産師
生理の腹痛と妊娠による腹痛を見分けるコツは、「腹痛以外の症状をチェックして、総合的に判断すること」です。
腹痛以外に、例えば以下のような妊娠初期の特徴的な症状がないか確認してみましょう。
- おりものの量が増える
- おりものが茶色っぽくなる(着床出血)
- 乳首が敏感になる
- 胸が張る感じがする
- 匂いに敏感になる
腹痛も含め、妊娠初期症状には個人差がありますが、もし複数の症状が同時に見られる場合は妊娠している可能性が高くなります。
【妊娠初期症状の下腹部痛はいつ起こる?】着床出血後?着床痛かもと思ったら
受精卵は受精してすぐに着床するわけではなく、4~5日かけて子宮内に移動し、7日~10日目に着床すると言われています。排卵日に受精したとすると、生理予定日の1週間前~生理予定日の間に着床することになります。
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下腹部痛か生理痛かを見極める方法
助産師
生理痛と妊娠による下腹部痛は、痛みの原因は異なるのですが、感覚としては違いが感じられない場合も多いです。
どちらの理由で下腹部痛が起こっているのかを見極めたいときには、下腹部痛以外の妊娠症状がないか確認してみましょう。おりものの様子がいつもと違ったり、つわりのような症状(匂いが気になる、胃腸の具合が悪い等)がでていませんか?
もし、下腹部痛以外にも普段と違う症状がでているならば、妊娠の初期症状として腹痛が起きている可能性があります。
また、既に生理予定日を迎えているならば、チェックワンファストなどの生理予定日から使用できる妊娠検査薬を使うのも一案です。検査薬でもし陽性が出れば、下腹部痛は妊娠初期症状によるものだと考える事ができますね。
妊娠初期の下腹部痛はいつからいつまで?
妊娠初期の下腹部痛を引き起こす原因のひとつに、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンがあります。hCGは8~12週に分泌量のピークを迎え、それ以降は出産までピークの半分程度まで分泌量が減少します。
hCGが原因で下腹部痛が起きていた場合は、妊娠中期を迎える頃には落ち着くことが多いです。
ただ、妊娠中の下腹部痛の原因は、hCGだけではありません。妊娠中はプロゲステロンも多く分泌されているので、その影響で便秘がちになったり、子宮や子宮周辺の組織が引き伸ばされることで痛みがでることもあります。
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【痛みの対処法】妊娠初期症状の下腹部痛の対処法は?
妊娠初期は胎児の各器官が形成される大切な時期なので、痛みがあるからといって市販薬を飲むことは控えた方が良いです。もしどうしても我慢できないような痛みであれば、医療機関に相談しましょう。
服薬するほどではない痛みであれば、基本的には体と心を休め、リラックスして過ごすことを心掛けましょう。以下のようなことを試してみるのもおすすめです。
- ゆったり横になる
- 温かい飲み物を飲む(ノンカフェインのもの)
- 立ったり歩いたりといった動作をゆっくりにする
- 締めつけない服や歩きやすい靴を選ぶ
- 深呼吸をする
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【こんな痛みは注意して!】トラブルのある痛みとは?
妊娠初期には腹痛を感じることも多いですが、たいていは生理的な理由によるもので、それほど心配の必要はないものです。
しかし、以下のような痛みがある場合は注意が必要です。
- 激痛がある
- 急に痛みが強くなった/どんどん痛みが増している
- 出血を伴う痛みがある
このような症状は、流産や子宮外妊娠といったトラブルの兆候である可能性があります。
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