妊娠超初期の残尿感・トイレが近いのは膀胱炎?妊娠初期症状の頻尿のアンケート結果

妊娠初期症状の頻尿は我慢せずトイレに行く・リラックスが大切


頻尿、膀胱炎の対処法としてまずあげられるのは、尿意を感じたら我慢しないでトイレにいくということです。

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トイレを我慢している状態というのは、膀胱の粘膜が開いたままになっているということです。膀胱はもともと、細菌感染から身を守るための防御作用が高い器官です。膀胱の粘膜が開いたままになると、血流が悪くなりその防御作用が低下してしまいます。

また尿は高濃度の尿素と浸透圧の高さから雑菌が繁殖しにくい性質をもっています。しかし妊娠によってその性質も変化してしまい、膀胱に尿が溜まっていると細菌が繁殖しやすい状態になってしまうのです。排尿には尿道や膀胱の細菌を洗い流す働きもありますので、トイレにはこまめに行くようにしましょう。

リラックスして過ごすということも大事です。ストレスがかかると自律神経が乱れ、身体が緊張してしまいます。身体は緊張すると膀胱が小さくなってしまう傾向があり、それがさらなる頻尿を引き起こすのです。妊娠中の頻尿や残尿感は一時的なもので出産すれば殆どの方が治ります。妊娠における初期症状の一つとしてあまり気にしないようにしましょう。

・カフェインの摂取を控える・寝る前に水分を摂取しすぎない

カフェインの摂取を控えることも効果的といえます。カフェインには身体を興奮させる作用があります。身体は興奮すると足や腕などの血管である末梢血管を収縮させます。反対に腎臓の血管は拡張して尿量が増え、頻尿を引き起こします。

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また、カフェインは胎盤を通りやすく、興奮作用がそのまま胎児に影響を及ぼします。胎児の発達遅延や流産のリスクが高くなるので、大量に摂取することはやめしょう。コーヒーや、緑茶などカフェインの含まれている飲み物は一日2~3杯程度に留めましょう。

寝る前に水分を摂取しすぎないことも大事です。妊娠中は新陳代謝もよくなるので、よく汗をかきます。寝ている間にもたくさんの汗をかくので水分も必要です。しかし水分のとりすぎは寝ている間の頻尿を引き起こし、何度もトイレに起きることで睡眠不足になってしまいます。妊娠中は寝れるときにゆっくり寝て体調を整えることも大切です。寝る前にはコップ1、2杯程度の(200ml~400ml)の水分をゆっくりと摂取するのがおすすめです。

・冷えに注意する・体を温める・海藻類を食べる

寒くなるとトイレが近くなるように冷えも頻尿や、残尿感を引き起こしやすいので気をつけましょう。妊婦さんにとって冷えは頻尿だけでなく様々なトラブルを引き起こします。身体が冷えると血流が悪くなり、胎児が栄養をうまく摂取することができなくなります。栄養が十分にとれないと、早産や流産、また産まれた赤ちゃんが低出生体重児になってしまうなどの危険性があります。

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夏場でも冷たい飲み物はなるべく避けましょう。お風呂はシャワーですますのではなくゆっくりと湯船につかりましょう。下半身を温めるだけでも血行がよくなりますので、足元を冷やさないようにしましょう。

海藻類を食べることで頻尿や残尿感を改善させることができます。海藻類には頻尿、残尿感が改善される成分が入っています。海藻類の成分である尿酸は排尿促す働きをもっており、マグネシウムは排尿を調節する括約筋を鍛える効果を持っています。

しかしここで注意が必要です。わかめや昆布などの海藻類にはヨウ素という成分が入っています。ヨウ素は胎児が骨や脳の発育に必要な甲状腺ホルモンの生成に必要な栄養素です。しかしこのヨウ素は、多くても少なくても胎児の甲状腺の機能障害であるクレチン症(先天性甲状腺機能低下症)を引き起こします。日本人は海藻を食べる機会が多く、出汁としてもヨウ素を摂取しているので、まずヨウ素不足にはならないといわれています。いくら頻尿や残尿感に効くとはいえ、過剰摂取はやめましょう。

妊娠初期症状と膀胱炎との見分けは?

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頻尿や残尿感は膀胱炎の症状でもあります。妊娠の影響によるただの頻尿や残尿感なのか、それとも膀胱炎になってしまっているのか判断が難しいところです。

頻尿や残尿感を一番わかりやすいのは、排尿の途中から後にかけてツーンとした痛みがあるかどうかです。

頻尿や残尿感を感じて、膀胱炎ではないかと不安になったら痛みがないか注意してしましょう。

また、頻尿や残尿感を感じても水分を我慢するのはやめましょう。水分をきちんと摂取しまた排出することは、身体の巡りをよくします。雑菌が体内から排出されるので膀胱炎にもなりにくくなります。

助産師

妊娠の症状はひとりひとり違うので、妊婦健診を受けて順調であるならば特に気にする必要はありませんよ。

妊娠初期症状の頻尿ではない場合はいつ病院に行けばいい?

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膀胱炎からの頻尿や残尿感は、細菌からの感染によって膀胱が炎症したことで起こる症状です。一般的に尿は正常だと無菌であり、尿中に菌は存在しません。女性の場合は尿の中の菌の数値が、10(4/ml)以上になると膀胱炎と診断されます。

症状は痛みとしてあらわれ、炎症がもっと広がると粘膜がただれて出血しそれが血尿として尿に排出されます。また、粘膜のただれを治そうと集まった白血球などの分泌液から、白っぽく濁ったような尿がでることもあります。

一方、妊娠初期症状からの頻尿と残尿感は身体の変化によって起こります。妊娠初期の症状の一つですので、ほかの症状と一緒にあらわれることが多いです。つわりや、眠気やだるさ、また基礎体温が高温期が続いているような事があればそれは妊娠の初期症状と言えるでしょう。

病院での診察でどんなことを伝えたらいい?

もし自分が膀胱炎だと感じたら早めにかかりつけの産婦人科の先生にみてもらいましょう。膀胱炎は軽症のうちに治療をして完治すれば胎児に影響はありません。医師にはトイレの回数、排尿痛の有無、尿の色など、自分に起きている主な膀胱炎の症状を伝えましょう。そして、その膀胱炎の症状はいつから始まったのかも伝えると今の身体の状況が医師に伝わりやすいです。

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身体に何が起きているのかわかれば、医師も治療をしやすく、症状に見合った薬を出してもらえます。妊娠中でも飲むことのできる抗生物質や漢方薬、また症状によっては塗り薬を出してもらえることもあります。

そして、処方された薬は最後まできっちりと飲みましょう。妊娠中は免疫力も落ちているので、自己判断で薬をやめてしまうと再発してしまう可能性も大きいです。

どんなことがあったら、次の診察を待たずに病院へ行ったほうがいい?

?膀胱炎の症状の他に悪寒や、38度以上の高熱や腰や背中に痛みがあればすぐに受診するようにしてください。これらの症状は腎盂炎を起こしている可能性があります。 腎盂炎は妊婦の0.5~2%が発症すると言われており数字的にも高く、比較的発症することが多い病気です。

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腎盂炎は細菌が腎臓に侵入し、そして炎症を起こしてしまった状態のことをいいます。腎盂炎そのものは胎児への直接的な影響ありません。しかし、腎臓へ侵入した細菌が今度は子宮へ、そして卵膜へと感染すると早産または流産を引き起こす可能性もでてきます。

また、腎盂炎は膀胱炎の症状がなくても発症します。膀胱炎や腎盂炎などの尿路感染症にかかると、症状は治ったものの尿中に菌が存在している状態になることがあります。この尿を無症候性細菌尿といいます。
一般的に、無症候性細菌尿は自然治癒されるので治療はしません。しかし妊娠中には腎盂炎や高血圧を発症しやすくなり、腎盂炎に関しては発症率が20%にあがってしまいます。 妊婦の無症候性細菌尿は治療したほうがいいとされています。膀胱炎、または腎盂炎を発症したことがある人は妊娠前や初期に尿検査をすることをおすすめします。