助産師
つわりの種類に合わせて対処法が異なるので、ぜひ試してみてくださいね。
つわりの種類はどんなものがあるの?
妊娠した女性の約半数~8割が経験するつわりには、さまざまな種類があります。一般的によく聞くのが吐きつわりや食べつわりですが、それ以外にもあまり聞きなれない、においつわりや眠りつわり、よだれつわり(唾液づわり)、喉づわりというのもあります。
助産師
1.吐きつわりはどんなもの?対処法は?
助産師
食べ物を見るだけで胃がむかつき「何も食べられない」という人が多いようですが、食べず・飲まずでは症状を悪化させるうえ、脱水症状を引き起こします。同じような物に偏ってしまっても、食べられるものを探し少しでも口にすることが対処法となります。
比較的、冷たくて水分の多い物は食べやすいですから、そうめんなどの麺類やお茶漬けなどを試してみてください。それでも食べられない場合は、冷やしたフルーツやゼリー、アイスなどは口当たりがよくお勧めです。
また下記2つは足にあるツボで嘔吐や下痢などの胃腸トラブルに効くとされています。お風呂上りなどにマッサージする感覚で、心地よい程度の強さで5~10回ほど押してみてください。
- 裏内庭(うらないてい)
足の人さし指をお辞儀するように曲げ、指の先端がつくあたりの筋肉が盛り上がっているところ - 足の三里(あしのさんり)
膝にあるお皿の外側から指4本分くらい下がったところ
2.食べつわりはどんなもの?対処法は?
空腹になると吐き気を感じてしまい、常に何かを口にしたくなります。食欲増進の状態が続きますが、必要以上に体重が増えると「妊娠高血圧症候群」や「妊娠糖尿病」のリスクもありますから、体重管理にも気をつけましょう。
食べつわりの場合は、1日3回の食事ではなく少量の食事を1日5~6回に分けると空腹を避けられ、カロリーを摂りすぎる心配もありません。食べる際も、ゆっくりよく噛んで食べれば消化によく満腹感も得やすくなりますよ。また一度に多くの量を食べすぎると、つわりが悪化しますから適量を心掛けてくださいね。
助産師
3.においつわりはどんなもの?対処法は?
助産師
また食事の際、食べ物のにおいで気持ち悪くなることもあります。その際は、においの少ない冷たい物を食べるか、温かいものは冷ましてから食べるようにしましょう。
4.眠りつわりはどんなもの?対処法は?
四六時中眠かったり、突然眠気が襲ってくるなどが特徴で、体がだるい、頭がボーッとするなどの症状も見られます。眠くてだるいという程度のものから、仕事や日常生活に支障がでるほど強い眠気に襲われることもあります。
眠りつわりは休息のサインでもありますから、とにかく寝てしまうのが一番です。
助産師
5.よだれつわり・唾液づわりはどんなもの?対処法は?
助産師
外出時は空のペットボトルを持ち歩き、就寝時は枕元に洗面器やタオルを置いて、いつでも唾液を出せるようにしておきましょう。よだれづわりの人は唾液の分泌量が多いので、脱水症状に気をつけて、こまめに水分補給することも忘れないでください。
また、手のひらを上にして、手と手首の境にあるしわの中央から肘の方向へ指3本分置いたところに「内関(ないかん)」というツボがあります。「内関」は食欲不振や吐き気など消化器系の不調に効果があり、よだれづわりにもお勧めですから、心地よい程度の強さで押してみてください。
6.喉づわりはどんなもの?対処法は?
助産師
無理に吐き出そうとすると喉を傷つけたり、嘔吐につながってつわりを悪化させることもあるので気をつけてください。喉づわりは違和感がぬぐえず気になってしまうことも多いですが、意識をそらすことが一番の対策になります。
また、氷を口に含んで溶かしたり、刺激の強い炭酸飲料や酸味のあるアメなどは異物感が紛れるという声もありますので、試してみてください。
つわりとはどんなもの?なぜ起こるの?
つわりは妊娠初期に現れる体の変化で、妊娠5~6週(妊娠2ヶ月)ころに始まり、妊娠12~16週(妊娠4~5ヶ月)ころまで続くのが一般的です。お話ししてきた吐きつわりや食べつわりのほかに頭痛や肩こり、腰痛、便秘、貧血、食欲不振、嗜好の変化などもあります。
助産師
吐き気をおさえる食材は?
助産師
そのほか吐き気をおさえ、つわりを和らげるとしてビタミンB6やビタミンB12、葉酸が挙げられます。ビタミンB6を含む食材は牛や鶏のレバー、かつおなどの赤身の魚、にんにく、バナナなどがあります。
ビタミンB12を含む食材は、あさりやしじみなどの魚介類、牛・鶏・豚のレバー、さんま、海苔、チーズ、納豆などがあります。偏らない範囲で以上の食材をうまく取り入れれば、吐き気をおさえる対策につながりますよ。
ビタミンB6・ビタミンB12を飲むとなぜつわりの症状が緩和されるのか?
つわりがひどい場合、病院などを受診するとビタミンB6を含んだ点滴が使われます。これはビタミンB6につわりの症状を和らげる効果があるからです。
さらに妊娠中は、お腹の赤ちゃんを成長させるために「鉄欠乏性貧血」を起こしやすくなり、それがつわりの原因にもなっています。ビタミンB12には、葉酸とともに赤血球の生成を助け貧血症状を緩和する働きがあります。
助産師
妊娠悪阻とは?
助産師
「妊娠悪阻」になったからといって、胎児への直接的な悪影響はほとんどありませんので過度に心配する必要はありません。しかし、放っておくと胎児にも母体にも危険が及びますから、少しでもおかしいと思ったら、早めにかかりつけの産婦人科を受診しましょう。
妊娠悪阻を疑うべき症状
つわりと「妊娠悪阻」を区別する明確な基準はありませんが、疑うべき症状として以下の5つがあります。1つでも当てはまる場合は注意が必要ですよ。
- つわりがひどく、食べ物はもちろん水さえも飲めない。
- 1日に何度も嘔吐を繰り返している。
- 吐いたものに胆汁や血が混じっている。
- 体重が急激に減少した。
- トイレに行っても尿が少ない、または出ない。
ピークはいつ?
助産師
また仕事をしていたり、子供がいる場合は、つわりでもゆっくり休めないということもあります。安定期に入るまで妊娠を告げないという人も多いですが、身近な上司や同僚には妊娠やつわりのことを早めに話しておきましょう。体調が悪く会社を休むという場合も理解が得やすくなりますよ。
子供がいる人は、子供の世話以外の家事をパートナーにお願いしたり、ご飯の用意は惣菜やレトルトを使うなど少しでも負担を減らす工夫をしてください。体調が悪いと子供の相手もしてあげられませんが、その分、体調がよいときに思い切り甘えさせてあげましょう。
どんなにつらくても、つわりがあるのは赤ちゃんが成長している証しです。1人で抱え込まず、周囲の理解や協力を得て、つわりのピークを乗り切りましょう。
妊娠初期 | |||
妊娠1か月 | 妊娠2か月 | 妊娠3か月 | 妊娠4か月 |
春生まれ | 夏生まれ | 秋生まれ | 冬生まれ |
妊娠超初期症状 | 妊娠中期 | 妊娠後期 | 新生児期 |