おりものがないのは妊娠超初期のサイン?助産師が教える妊娠検査のタイミング

助産師として働くなかで、ちょっと早いかもしれないですけど…と妊娠検査に来ている患者さんに接することがあります。妊娠しているか気になる女性にとって、ふだんある「おりもの」がなかったり、生理が遅れたり、ちょっとしたことでも「もしかして妊娠!?」とドキドキしてしまいますよね。
今回は、生理前のおりものがないことと妊娠との関係を見ていきたいと思います。是非参考にしてみてください。

「おりもの」がないのはもしかして妊娠?妊娠検査薬が使えない時期にチェックしたいこと

一般的には、生理が遅れるつわりの症状がある、などで妊娠に気付くことが多いと思います。その時期には一般的な妊娠検査薬を使って確認することができます

でも、妊娠しているか気になる女性は、その時期まで待てない、早く知りたいと思いますよね。そんな女性へ、妊娠とおりものの変化を中心に、妊娠検査薬がまだ使えない妊娠超初期について詳しくみていきたいと思います。

妊娠初期に気を付けてほしいことも紹介しますので、妊娠しているか気になる女性は是非読んでみてくださいね。

1.妊娠初期にはおりものが出ない?おりものの変化について


おりものとは、子宮や膣(ちつ)からの分泌物はがれた古い細胞などが混ざり合ったもので、無色透明や白っぽく少し粘り気があるものです。生理前後や排卵日には量が増え、少し臭いが気になることもあります。

ふだんはあまり気にしないおりものですが、とても大切な働きをしているんです。1つ目は細菌が膣内に侵入・繁殖するのを防ぐ自浄作用、2つ目は排卵期に精子が膣内に入るのを助ける受精のサポートです。

おりものはホルモンに影響されるので、年齢や生理周期によって量が変わってきます。生理と生理の間、排卵の時期にはもっとも量が増え、排卵後から生理直前ぐらいの時期には量が減っていきます。もちろん個人差はあると思います。

妊娠によってもおりものに変化があります。一般的には妊娠するとホルモン分泌の影響や細菌感染を防ぐために、おりものの量は増えると言われています。妊娠を経験した方も乳白色~黄色っぽいサラサラしたおりものが増えたという方が多いようですが、おりものの量が減ったと言う方もいます。着床時の出血が混ざって茶色っぽいおりものが出ることもあります。

おりものの変化は人それぞれということですね。おりものだけで判断するのは難しいかと思います。日頃から自分のおりものの様子を知り、いつもと違うなと感じとることが大切なのではないでしょうか。

2.妊娠初期のホルモンバランス

「おりものはホルモンに影響される」とお話ししました。では、妊娠初期のホルモンバランスはどのように変化するのでしょうか?ホルモンの種類と分泌量の変化について見ていきましょう。

ヒト絨毛(じゅうもう)性ゴナドトロピン(hCG)

hCG妊娠4週頃から尿中に出てくるため、妊娠判定に用いられます。妊娠検査薬はこのhCGに反応するのですね。妊娠を維持するため、妊娠黄体を刺激してエストロゲンやプロゲステロンを分泌させようと働きます。妊娠10週まで量が増え、胎盤が完成に近づきエストロゲンやプロゲステロンの産生が胎盤に移ると量が減っていきます。

卵胞ホルモン(エストロゲン)

胎盤が完成してくると量が増えていきます。妊娠維持分娩(ぶんべん)準備乳汁分泌の準備妊娠中の乳汁分泌抑制というような反対の働きを同時に行っています。とても重要なホルモンですね。分娩後、胎盤が出るとエストロゲンは減少し、乳汁分泌が開始されます。エストロゲンが増えるとおりものの量も増えます。

黄体ホルモン(プロゲステロン)

エストロゲンと同じく、胎盤が完成してくると量が増えていきます。妊娠維持乳汁分泌の準備妊娠中の分泌抑制はエストロゲンと同じような働きですが、プロゲステロンは妊娠中の排卵の抑制という働きもあります。プロゲステロンも胎盤が出ることで減少し、乳汁分泌が開始されます。
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3.妊娠初期のおりもの注意点


妊娠初期のおりものが茶色っぽい場合は、前に起こった出血であることが多いので、そんなに心配する必要はないと思います。ピンクや赤色のおりものの場合は、現在出血が起こっているという可能性が高いので病院に相談することをおすすめします。

他にも、

  • おりものの量が増えた
  • 色や臭いがいつもと違う
  • かゆみがある

という場合は感染症の可能性もありますので、しっかり診察を受けましょう。

4.妊娠検査薬をフライングで使ってもいいの?


妊娠かなと思ったときにまず妊娠検査薬を使うと思いますが、最近はフライング検査という言葉もよく耳にするようになりました。

「妊娠初期のホルモンバランス」で説明をしましたが、hCGが尿中に出てくるのは4週頃です。4週目というと、ちょうど生理予定日頃になります。妊娠検査薬はhCGが50mlU/mLまで増えると反応するようになっているので、生理予定日の1週間後から用いるのが一般的だと思います。

早く知りたいという気持ちも分かるのですが、フライング検査ではしっかりとした結果が得られないといことです。早い時期でも反応が出るように作られた早期妊娠検査薬もありますが、検査薬の用法をしっかり守って使うことをおすすめします。
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5.妊娠かなと思ったときに気を付けたいこと

妊娠しているか気になる女性へおすすめの基礎体温

おりものだけでは判断するのは難しいと言いましたが、妊娠しているか気になる女性におすすめなのが基礎体温です。

基礎体温のことは何となくわかっている方も多いと思いますが、上のグラフが理想的な形で、排卵の前後で低温期高温期に分かれます。妊娠すると高温期が2週間以上続きます。

妊娠初期の5週~11週頃は胎児の神経系、呼吸器系、循環器系、消化器系などの主要な器官が形成される時期です。たばこやアルコール、薬などの影響で奇形などの先天性異常を起こす危険性が高い時期でもあります。基礎体温をしっかりつけて、妊娠かなと気付ければ、注意することができますよね。

基礎体温からは自分の生理周期やホルモンバランスも知ることができるので、妊娠しているか気になる女性だけでなく、すべての女性におすすめしたいです。

葉酸を取ろう!

ふだんの生活でも妊娠中でも、バランスよく栄養を取るよう心がけるのはもちろん大切ですね。特に、妊娠初期は胎児の主要な器官が形成される時期、言い換えれば細胞分裂が活発に行われる時期です。その細胞分裂を助けてくれる栄養素「葉酸」をしっかり取りましょう。

妊娠前~妊娠初期に葉酸を摂取することで、脳や脊髄の先天性異常である神経管閉鎖障害のリスクを下げることができます。厚生労働省も妊娠を希望する女性と妊娠中の女性は1日0.4mgの葉酸摂取を推奨しています。

葉酸は先天性異常のリスクを下げるだけでなく、貧血にも効果的です。しかし、葉酸は食事だけから摂取するのは難しいので、補助的にサプリで摂取するのがおすすめです。
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まとめ:大切なのは自分の体を知ること

妊娠超初期にはおりものの変化や、胸の張り、頭痛など体の変化があるかもしれません。それは個人差もあることなので、こうだから必ずしも妊娠と判断することはできません。

でも、ふだんの自分の体をきちんと知っていれば、いつもと違うなと気付くことができます。そこから妊娠したかもしれないと判断することは可能だと思います。

自分の生理周期で起こる体の変化やおりものの変化を知ることが大切なのではないでしょうか。助産師として、女性の皆さんにお伝えします。是非自分の体に興味を持ち、自分の体をよく知ってくださいね。

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